ヘマトポルフィリン誘導体による実験的角膜新生血管の光化学治療
ポルフィマーナトリウムによる光化学治療が角膜新生血管の閉塞に有効かどうかを実験的に検討した。白色家兎眼にペレット包埋法で角膜新生血管を作成後, ポルフィマーナトリウム2mg/kg体重を静注し, 24, 48, 72時間後にアルゴン緑レーザー (514nm) を3種類の強度で照射した。新生血管閉塞の有無を細隙灯顕微鏡と螢光造影検査, 光学顕微鏡標本で観察した。照射強度38.2J/cm2以上では新生血管は閉塞するものの, 照射野内の虹彩等の新生血管周囲の組織も強く障害された。今回検討した条件では19.1J/cm2の照射を静注後24~72時間の間に行うのが,周囲の正常組織障害を軽度に抑えて新生血管を...
        Saved in:
      
    
          | Published in | 日本レーザー医学会誌 Vol. 17; no. 1; pp. 31 - 43 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
    
        1996
     日本レーザー医学会  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0288-6200 1881-1639  | 
| DOI | 10.2530/jslsm1980.17.1_31 | 
Cover
| Summary: | ポルフィマーナトリウムによる光化学治療が角膜新生血管の閉塞に有効かどうかを実験的に検討した。白色家兎眼にペレット包埋法で角膜新生血管を作成後, ポルフィマーナトリウム2mg/kg体重を静注し, 24, 48, 72時間後にアルゴン緑レーザー (514nm) を3種類の強度で照射した。新生血管閉塞の有無を細隙灯顕微鏡と螢光造影検査, 光学顕微鏡標本で観察した。照射強度38.2J/cm2以上では新生血管は閉塞するものの, 照射野内の虹彩等の新生血管周囲の組織も強く障害された。今回検討した条件では19.1J/cm2の照射を静注後24~72時間の間に行うのが,周囲の正常組織障害を軽度に抑えて新生血管を閉塞できる治療条件であることが判明した。光感受性物質非投与下でレーザーを照射した対照実験では, 新生血管閉塞や虹彩の障害を認めなかったので, 治療眼の血管閉塞が熱作用によるとは考えられない。本光感受性物質を使用した光化学治療は眼科領域の新生血管閉塞の新しい方法として期待できる。 | 
|---|---|
| ISSN: | 0288-6200 1881-1639  | 
| DOI: | 10.2530/jslsm1980.17.1_31 |