テキストマイニングを用いた妊娠·授乳中の服薬に対する不安についての分析

「緒言」妊婦の多くが妊娠中の服薬に対し, 医師から処方された薬に対しても抵抗感をもっていたり, 薬の服用に対する情報を誤解していたりするという報告がある1). 五十里ら2)は, 妊婦・授乳婦を対象とした医薬品への不安に関するアンケート調査を実施し, 不安を抱えている妊婦・授乳婦への適切な情報提供体制の整備がまだ不十分であることを指摘している. 佐藤3)は, 出産を迎えた女性の抱く全般的な心理不安の程度や要因を調査し, 不安になりやすい特性をもつ女性だけが不安を抱いているわけではなく, 産褥期より妊娠末期の方が不安になりやすいという知見を得ている. 妊婦・授乳婦が薬を使用することに対する不安の程...

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Published in医療薬学 Vol. 37; no. 2; pp. 111 - 117
Main Authors 恩田, 光子, 西川, 直樹, 岩城, 晶文, 荒川, 行生, 高儀, 佳代子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2011
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.37.111

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Summary:「緒言」妊婦の多くが妊娠中の服薬に対し, 医師から処方された薬に対しても抵抗感をもっていたり, 薬の服用に対する情報を誤解していたりするという報告がある1). 五十里ら2)は, 妊婦・授乳婦を対象とした医薬品への不安に関するアンケート調査を実施し, 不安を抱えている妊婦・授乳婦への適切な情報提供体制の整備がまだ不十分であることを指摘している. 佐藤3)は, 出産を迎えた女性の抱く全般的な心理不安の程度や要因を調査し, 不安になりやすい特性をもつ女性だけが不安を抱いているわけではなく, 産褥期より妊娠末期の方が不安になりやすいという知見を得ている. 妊婦・授乳婦が薬を使用することに対する不安の程度や内容は, その後の育児にも影響するため, 妊婦・授乳婦に対する心理的・社会的ケアは重要である4). 事実, 服薬カウンセリングの前後で, 相談者の奇形発生率や妊娠継続を希望する人数が改善されたとの報告があり, 薬剤師による相談応需の意義や重要性が実証されている5).
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.37.111