耳鳴に対する客観的検査機器の開発
要旨: 目的) 簡易型脳波計測装置を用いた脳波測定によって, 耳鳴の有無を客観的に捉えられるか試みた。 方法) 共著者である慶應義塾大学理工学部満倉研究室が開発した「簡易型脳波計測装置」を用いて行った。 本機器で前頭前野を反映する FP1 部位のみの脳波を測定するものである。 耳鳴あり, 耳鳴群に分けて, 30秒計測を2回測定した。 得られた脳波はフーリエ変換を行い各周波数別に分けて解析した。 特徴抽出手法として主成分分析を用い, クラス分類手法としてフィッシャーの線形判別分析を使用した。 結果) 耳鳴あり群では, 耳鳴群と比較して10-11Hz 以外の脳波に特徴的なパターンが認められた。 考...
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Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 58; no. 1; pp. 69 - 74 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本聴覚医学会
28.02.2015
日本聴覚医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0303-8106 1883-7301 |
DOI | 10.4295/audiology.58.69 |
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Summary: | 要旨: 目的) 簡易型脳波計測装置を用いた脳波測定によって, 耳鳴の有無を客観的に捉えられるか試みた。 方法) 共著者である慶應義塾大学理工学部満倉研究室が開発した「簡易型脳波計測装置」を用いて行った。 本機器で前頭前野を反映する FP1 部位のみの脳波を測定するものである。 耳鳴あり, 耳鳴群に分けて, 30秒計測を2回測定した。 得られた脳波はフーリエ変換を行い各周波数別に分けて解析した。 特徴抽出手法として主成分分析を用い, クラス分類手法としてフィッシャーの線形判別分析を使用した。 結果) 耳鳴あり群では, 耳鳴群と比較して10-11Hz 以外の脳波に特徴的なパターンが認められた。 考察) 本結果より, 前頭皮質が耳鳴の病態に関与することが示唆された。 今後, 症例数を重ねて, 本検査機器によって耳鳴の客観的評価を簡便に行える可能性があり, 詐病の判定, 治療効果の客観的かつ定量的な判定などの臨床応用に向けて開発を進めていきたい。 |
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ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.58.69 |