杏林大学におけるチュートリアル教育
PBLチュートリアルは欧米の医療系大学で始まり,より効果的に知識を定着できるシステムとされている。小グループにチューターをつけた問題基盤型学習法で,杏林大学では2004年から実施されている。臨床講義が始まった4年に行われるチュートリアルは,様々な情報からグループで臨床診断を行うものであるが,入学したばかりの1年にはプレチュートリアルと呼ばれる独自のカリキュラムを実施している。プレチュートリアルでは1年の前期に,1つの課題について4回のSGD(小グループ討論)を行い,計2課題について学習する。課題シートでは日常出あうような状況を提示し,そこから自分たちで問題点を見つけ,学習を進める。内容的には,...
Saved in:
Published in | 杏林医学会雑誌 Vol. 52; no. 1; pp. 19 - 24 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
杏林医学会
29.03.2021
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0368-5829 1349-886X |
DOI | 10.11434/kyorinmed.52.19 |
Cover
Summary: | PBLチュートリアルは欧米の医療系大学で始まり,より効果的に知識を定着できるシステムとされている。小グループにチューターをつけた問題基盤型学習法で,杏林大学では2004年から実施されている。臨床講義が始まった4年に行われるチュートリアルは,様々な情報からグループで臨床診断を行うものであるが,入学したばかりの1年にはプレチュートリアルと呼ばれる独自のカリキュラムを実施している。プレチュートリアルでは1年の前期に,1つの課題について4回のSGD(小グループ討論)を行い,計2課題について学習する。課題シートでは日常出あうような状況を提示し,そこから自分たちで問題点を見つけ,学習を進める。内容的には,時事問題から最新の知見など,学生の興味を引くような課題の作成に努めている。このプログラムを通して,ディスカッションの仕方,問題点の見つけ方,総合的な考え方,リソースのみつけ方などを学んでもらい,また科学的なレポートの書き方を習得してもらいたいと考えている。2020年度は新型コロナウィルス流行の影響で,今までどおり集まってのSGDが実施出来なかった。しかし逆に,オンライン会議システムを導入するなど,新しいSGDの可能性も見えてきた。チューターの負担,チューター間の違い,課題の偏り,学生の意欲を持続させる方策など問題点もあるが,今後も改良しながらプレチュートリアル教育を行っていきたい。 |
---|---|
ISSN: | 0368-5829 1349-886X |
DOI: | 10.11434/kyorinmed.52.19 |