聞き取り困難を訴える成人例に対する聴覚情報処理障害 (APD) 評価アプリの適用
要旨: 聴覚情報処理障害 (APD) は, 聴力や語音聴取能には異常が認められないため, きこえの困難を訴える者のきこえの臨床像を客観的に裏付けるためには, 聴覚情報処理機能の評価が必要である。そのために, 今回 iPad 用アプリを開発した。聴覚情報処理機能課題を聴力に問題のない成人15名に対して実施した結果からカットオフ値を設定し, 聞こえに困難が生じている成人5名 (男性2名, 女性3名) の聴覚情報処理機能を評価した。本アプリにおいて両耳分離聴課題, 雑音下聴取課題, 時間情報処理課題, 時間長及び音の高低判断課題の全課題において成績低下が確認できたが, 対象者により課題の成績の差が明...
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Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 66; no. 3; pp. 203 - 211 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本聴覚医学会
30.06.2023
日本聴覚医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0303-8106 1883-7301 |
DOI | 10.4295/audiology.66.203 |
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Summary: | 要旨: 聴覚情報処理障害 (APD) は, 聴力や語音聴取能には異常が認められないため, きこえの困難を訴える者のきこえの臨床像を客観的に裏付けるためには, 聴覚情報処理機能の評価が必要である。そのために, 今回 iPad 用アプリを開発した。聴覚情報処理機能課題を聴力に問題のない成人15名に対して実施した結果からカットオフ値を設定し, 聞こえに困難が生じている成人5名 (男性2名, 女性3名) の聴覚情報処理機能を評価した。本アプリにおいて両耳分離聴課題, 雑音下聴取課題, 時間情報処理課題, 時間長及び音の高低判断課題の全課題において成績低下が確認できたが, 対象者により課題の成績の差が明らかになった。 |
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ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.66.203 |