CHARGE 症候群に対する人工内耳埋込み術中の EABR 所見とマッピング・術後成績との関係について

要旨: CHARGE 症候群では人工内耳の適応となる重度感音難聴を生じうる。手術困難例で人工内耳電極の挿入に成功しても, 内耳・内耳道奇形による術中の電気的誘発複合活動電位の測定困難や, 発達遅滞による術後の聴性反応の観察困難により, マッピングの手掛かりが少なく, 人工内耳効果が十分ではない場合がある。そこで, 本研究では電気刺激に反応する聴神経や中枢の神経核の反応閾値を確定する可能性が高い電気的聴性脳幹反応 (EABR) の術中所見と術後経過について検討した。その結果, 術前画像評価で問題が認められても術中 EABR で反応が検出された例を経験した。また, EABR でパルス幅を変更すると...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 66; no. 2; pp. 115 - 122
Main Authors 森, 尚彫, 岡野, 高之, 山本, 典生, 大森, 孝一, 吉澤, 美咲, 井口, 奈美江, 西村, 幸司, 近藤, 香菜子, 十名, 洋介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 28.04.2023
日本聴覚医学会
Subjects
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.66.115

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Summary:要旨: CHARGE 症候群では人工内耳の適応となる重度感音難聴を生じうる。手術困難例で人工内耳電極の挿入に成功しても, 内耳・内耳道奇形による術中の電気的誘発複合活動電位の測定困難や, 発達遅滞による術後の聴性反応の観察困難により, マッピングの手掛かりが少なく, 人工内耳効果が十分ではない場合がある。そこで, 本研究では電気刺激に反応する聴神経や中枢の神経核の反応閾値を確定する可能性が高い電気的聴性脳幹反応 (EABR) の術中所見と術後経過について検討した。その結果, 術前画像評価で問題が認められても術中 EABR で反応が検出された例を経験した。また, EABR でパルス幅を変更すると神経反応が検出され, それを元にマッピングに活用した例も経験し, EABR のパルス幅拡大の要否が術後成績と関連している可能性を示唆した。術前の画像評価に加えて術中 EABR も施行することにより蝸牛神経の機能を評価することが重要と考えた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.66.115