活動性担癌患者における脳梗塞発症後の死亡関連因子に関する検討

【背景および目的】脳梗塞を発症した担癌患者の生存率に影響する因子として,複数の因子が報告されているが,深部静脈血栓症(DVT)については検討が不十分である.本研究では,活動性担癌患者の脳梗塞発症後の死亡に関連する因子について,DVT の影響を含め検討した.【方法】当院に入院した急性期脳梗塞患者のうち,癌を合併し,脳梗塞後の経過を 6 カ月間観察することのできた 94 例を対象とし,脳梗塞発症後の死亡イベントに対する各因子の関連性について,ロジスティック回帰分析にて多変量解析を行った.【結果】脳梗塞後の 6 カ月以内に死亡した症例は 40 例であり, D-dimer 高値,DVT ありが独立した...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中 Vol. 44; no. 3; pp. 252 - 258
Main Authors 山内, 淳司, 赤須, 友香利, 長谷川, 泰弘, 山野, 嘉久, 土橋, 瑶子, 今井, 健, 清水, 高弘, 秋山, 久尚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2022
日本脳卒中学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.10968

Cover

More Information
Summary:【背景および目的】脳梗塞を発症した担癌患者の生存率に影響する因子として,複数の因子が報告されているが,深部静脈血栓症(DVT)については検討が不十分である.本研究では,活動性担癌患者の脳梗塞発症後の死亡に関連する因子について,DVT の影響を含め検討した.【方法】当院に入院した急性期脳梗塞患者のうち,癌を合併し,脳梗塞後の経過を 6 カ月間観察することのできた 94 例を対象とし,脳梗塞発症後の死亡イベントに対する各因子の関連性について,ロジスティック回帰分析にて多変量解析を行った.【結果】脳梗塞後の 6 カ月以内に死亡した症例は 40 例であり, D-dimer 高値,DVT ありが独立した死亡関連因子であることが示され,D-dimer≥4.1 mg/dl 群で死亡を多く認めた.【結論】D-dimer 高値あるいは DVT を合併した担癌脳梗塞患者は,死亡リスクが高い可能性が示唆された.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10968