破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術後に遠隔部の血腫増大を認めた2症例
破裂脳動脈瘤によるSAHにおいて,コイル塞栓術後に脳動脈瘤とは離れた部位の血腫が増大した症例に関して報告する.症例1:47歳女性,左内頚動脈–後交通動脈瘤破裂のため,コイル塞栓術を行った.術後,左insular cistern内の血腫が増大したため,第3病日に開頭減圧術を行った.症例2:80歳女性,右内頚動脈–後交通動脈瘤破裂のため,コイル塞栓術を行った.術後,右insular cistern内の血腫が増大し,第4病日に死亡した.いずれの症例もsubpial hematomaの増大であったと考えられた.2症例とも術中活性化凝固時間の過延長はみられず,手術終了時にプロタミンを静注してヘパリン中和...
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Published in | 脳卒中 Vol. 46; no. 3; pp. 245 - 251 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2024
日本脳卒中学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.11196 |
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Summary: | 破裂脳動脈瘤によるSAHにおいて,コイル塞栓術後に脳動脈瘤とは離れた部位の血腫が増大した症例に関して報告する.症例1:47歳女性,左内頚動脈–後交通動脈瘤破裂のため,コイル塞栓術を行った.術後,左insular cistern内の血腫が増大したため,第3病日に開頭減圧術を行った.症例2:80歳女性,右内頚動脈–後交通動脈瘤破裂のため,コイル塞栓術を行った.術後,右insular cistern内の血腫が増大し,第4病日に死亡した.いずれの症例もsubpial hematomaの増大であったと考えられた.2症例とも術中活性化凝固時間の過延長はみられず,手術終了時にプロタミンを静注してヘパリン中和を行っていた.また,周術期に抗血小板剤は使用しなかった.術前評価でsubpial hematomaの可能性があれば,急性期に血腫増大リスクがあるため,治療戦略を十分に検討する必要があると考えられた. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.11196 |