治療用眼鏡装用児のアトロピン点眼による調節麻痺下での脈絡膜血管形態の変化
【目的】今回、アトロピン点眼による調節麻痺下の脈絡膜と脈絡膜血管形態を3次元モデルにより解析した。【対象と方法】対象は、完全屈折矯正眼鏡の更新または作成の目的で調節麻痺下屈折検査を施行した4歳から8歳の小児8名12眼である。1%アトロピン点眼1日2回7日間使用後の調節麻痺下と点眼終了後1ヶ月以上間隔をあけた自然瞳孔下で計測を行った。Swept-Source OCTで黄斑部6×6mmの範囲を撮影し、3次元モデルを作製して中心窩から直径4.5mm円内部の脈絡膜体積、脈絡膜血管容積、脈絡膜血管比率を計測し、それぞれを調節麻痺下と自然瞳孔下で比較した(Wilcoxon符号順位検定、p<0.05)。【結...
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Published in | 日本視能訓練士協会誌 Vol. 52; pp. 69 - 74 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本視能訓練士協会
2022
日本視能訓練士協会 |
Subjects | |
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ISSN | 0387-5172 1883-9215 |
DOI | 10.4263/jorthoptic.52F109 |
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Summary: | 【目的】今回、アトロピン点眼による調節麻痺下の脈絡膜と脈絡膜血管形態を3次元モデルにより解析した。【対象と方法】対象は、完全屈折矯正眼鏡の更新または作成の目的で調節麻痺下屈折検査を施行した4歳から8歳の小児8名12眼である。1%アトロピン点眼1日2回7日間使用後の調節麻痺下と点眼終了後1ヶ月以上間隔をあけた自然瞳孔下で計測を行った。Swept-Source OCTで黄斑部6×6mmの範囲を撮影し、3次元モデルを作製して中心窩から直径4.5mm円内部の脈絡膜体積、脈絡膜血管容積、脈絡膜血管比率を計測し、それぞれを調節麻痺下と自然瞳孔下で比較した(Wilcoxon符号順位検定、p<0.05)。【結果】調節麻痺下は自然瞳孔下と比較して脈絡膜体積が有意に大きかった(p=0.034)。脈絡膜血管容積は調節麻痺下と自然瞳孔下に有意差はなかった(p=0.733)。脈絡膜血管比率は調節麻痺下にて有意に小さかった(p=0.012)。【結論】アトロピン点眼による調節麻痺下では脈絡膜体積が増加し、脈絡膜血管比率が減少したことからアトロピン点眼時の脈絡膜体積増加に脈絡膜間質の拡大が関与する可能性がある。 |
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ISSN: | 0387-5172 1883-9215 |
DOI: | 10.4263/jorthoptic.52F109 |