ヨード造影剤重度アレルギー患者に対するMRI fusion imagingを用いた頚動脈ステント留置術の有用性~手順と問題点

ヨード造影剤の重度アレルギーを持つ症例では,通常の造影剤を用いた頚動脈ステント留置術が困難となる.我々はヨード造影剤を全く用いずに奏功した頚動脈ステント留置術の1例を経験したため報告する.83歳,男性,高位の症候性頚部内頚動脈狭窄症に対して頚動脈ステント留置術を計画したが,精査の過程でヨード造影剤による粘膜疹が出現し,内科加療での再発予防を行った.しかし,脳梗塞再発を認め,ヨード造影剤を用いない頚動脈ステント留置術を施行した.Canon社製AlphenixとワークステーションAWSを用いて,透視画像に頚部MRI time-of-flight画像をfusionすることで,ヨード造影剤を使用せずに...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中 Vol. 44; no. 4; pp. 418 - 424
Main Authors 三浦, 直久, 草野, 良, 厚地, 正子, 中村, 秀, 星野, 達哉, 片桐, 彰久, 米山, 琢, 森澤, 華子, 富永, 禎弼
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2022
日本脳卒中学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.10982

Cover

More Information
Summary:ヨード造影剤の重度アレルギーを持つ症例では,通常の造影剤を用いた頚動脈ステント留置術が困難となる.我々はヨード造影剤を全く用いずに奏功した頚動脈ステント留置術の1例を経験したため報告する.83歳,男性,高位の症候性頚部内頚動脈狭窄症に対して頚動脈ステント留置術を計画したが,精査の過程でヨード造影剤による粘膜疹が出現し,内科加療での再発予防を行った.しかし,脳梗塞再発を認め,ヨード造影剤を用いない頚動脈ステント留置術を施行した.Canon社製AlphenixとワークステーションAWSを用いて,透視画像に頚部MRI time-of-flight画像をfusionすることで,ヨード造影剤を使用せずに頚動脈ステント留置術が可能となった.本手技はワークステーションを利用すること以外は,従来の手法と技術的側面がほとんど変わらないため,造影剤を使用しない頚動脈ステント留置術のための有効な手段であると考えられた.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10982