自然血栓化・閉塞する過程を造影CTAで確認できた大型前交通動脈瘤の1例

【目的】自然血栓化・閉塞する過程を造影CTで追跡し得た前交通動脈瘤の症例を報告する.【症例】71歳の女性.偶発的に発見された大型右前交通動脈瘤で当院を紹介受診した.底部に石灰化とblebを伴う長径20.7 mmの動脈瘤を認めたが,治療希望がなく,年1回の造影CTAで経過観察となった.3年後に動脈瘤の母血管(右A1)末梢部の狭窄進行を認めたが,動脈瘤に大きな変化はなかった.しかし,4年後には動脈瘤は完全に消失し,右A1の全体的な描出不良進行を認めた.この経過中は無症状で経過し,MRIでも脳梗塞は認めなかった.その後も再発なく経過した.【結論】母血管狭窄進行を伴って自然完全血栓化した,稀な大型前交...

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Published in脳卒中 Vol. 44; no. 5; pp. 541 - 545
Main Authors 八木, 謙次, 宇野, 昌明, 砂田, 芳宏, 松原, 俊二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2022
日本脳卒中学会
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.11000

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Summary:【目的】自然血栓化・閉塞する過程を造影CTで追跡し得た前交通動脈瘤の症例を報告する.【症例】71歳の女性.偶発的に発見された大型右前交通動脈瘤で当院を紹介受診した.底部に石灰化とblebを伴う長径20.7 mmの動脈瘤を認めたが,治療希望がなく,年1回の造影CTAで経過観察となった.3年後に動脈瘤の母血管(右A1)末梢部の狭窄進行を認めたが,動脈瘤に大きな変化はなかった.しかし,4年後には動脈瘤は完全に消失し,右A1の全体的な描出不良進行を認めた.この経過中は無症状で経過し,MRIでも脳梗塞は認めなかった.その後も再発なく経過した.【結論】母血管狭窄進行を伴って自然完全血栓化した,稀な大型前交通動脈瘤の症例を経験した.造影CTアンギオグラフィーやMRI/MRAによって,経時的かつ長期のフォローアップが有効であった.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.11000