化学放射線療法を施行した咽頭がん患者に対する薬剤管理指導業務充実のための取り組み
「緒言」放射線療法は, 手術療法と比べ音声言語や嚥下咀嚼などの機能温存の点で優れており, 頭頸部がんの治療において中心的な役割を果たしつつある. しかし, 粘膜炎やそれに伴う疼痛, 口腔乾燥症, 味覚障害などの有害事象による患者のquality of life(以下, QOLと略す)の低下が問題となる1). 近年, 局所制御率や生存率の向上をめざして同時併用化学放射線療法(concurrent chemoradiotherapy:以下, CCRTと略す)や導入化学療法(induction chemotherapy:以下, ICTと略す)が試みられ一部その有用性が示されている2-4). 一方,...
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Published in | 医療薬学 Vol. 36; no. 3; pp. 163 - 170 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
2010
日本医療薬学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.36.163 |
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Summary: | 「緒言」放射線療法は, 手術療法と比べ音声言語や嚥下咀嚼などの機能温存の点で優れており, 頭頸部がんの治療において中心的な役割を果たしつつある. しかし, 粘膜炎やそれに伴う疼痛, 口腔乾燥症, 味覚障害などの有害事象による患者のquality of life(以下, QOLと略す)の低下が問題となる1). 近年, 局所制御率や生存率の向上をめざして同時併用化学放射線療法(concurrent chemoradiotherapy:以下, CCRTと略す)や導入化学療法(induction chemotherapy:以下, ICTと略す)が試みられ一部その有用性が示されている2-4). 一方, 薬剤管理指導業務においては, 放射線療法と化学療法の併用による有害事象の増強や複雑化が懸念されるため, これらを考慮した対応や指導内容の充実が必要と考えられる. そこで, 中・下咽頭がん患者においてCCRT時の有害事象対策における問題点をカルテや薬剤管理指導記録から抽出し, 対処方法を検討した. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.36.163 |