偽性外転神経麻痺を呈した視床傍正中部梗塞の1例

要旨:視床傍正中部の限局した脳梗塞により偽性外転神経麻痺(pseudoabducens palsy)を呈した1例を報告した.症例は心房細動の既往のある78歳男性.複視と左上下肢の筋力低下で発症した.頭部MRIでは右視床傍正中部の急性期梗塞を認め,外転神経核に明らかな異常は認められなかった.以上より外転神経核ではなく,右視床傍正中部梗塞により偽性外転神経麻痺を生じたと診断した.本邦での偽性の報告は過去4例と少なく,一過性で見逃されていた可能性がある....

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Published in脳卒中 Vol. 35; no. 3; pp. 232 - 234
Main Authors 三上, 裕嗣, 野村, 誠, 鈴木, 仁, 渡辺, 武士, 尾野, 精一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2013
日本脳卒中学会
Subjects
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.35.232

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Summary:要旨:視床傍正中部の限局した脳梗塞により偽性外転神経麻痺(pseudoabducens palsy)を呈した1例を報告した.症例は心房細動の既往のある78歳男性.複視と左上下肢の筋力低下で発症した.頭部MRIでは右視床傍正中部の急性期梗塞を認め,外転神経核に明らかな異常は認められなかった.以上より外転神経核ではなく,右視床傍正中部梗塞により偽性外転神経麻痺を生じたと診断した.本邦での偽性の報告は過去4例と少なく,一過性で見逃されていた可能性がある.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.35.232