半年間に頸部三血管に動脈解離を認めた1例
要旨:症例は37 歳女性.テニス中に首を捻った際から頭痛が出現し,その後頭痛の増強,立位保持困難,構音障害を訴え救急搬送された.精査にて頸部左内頸動脈解離による脳梗塞を認め,抗凝固療法を行い経過良好であったが,第14 病日のMRI にて新たに頸部左椎骨動脈解離を認めた.無症候であったため抗凝固療法を継続し,第26 病日に退院し外来通院とした.発症5 カ月後には両血管とも正常に復していたが,発症6 カ月目に頭痛,めまいで救急搬送され,新たに頸部右内頸動脈解離を認めた.本邦では頸部動脈解離の再発例に関する報告が少なく,特に本症例のように約半年間で異なる頸部血管に3 回にわたり解離が出現した報告はな...
Saved in:
| Published in | 脳卒中 Vol. 37; no. 3; pp. 161 - 166 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2015
日本脳卒中学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
| DOI | 10.3995/jstroke.37.161 |
Cover
| Summary: | 要旨:症例は37 歳女性.テニス中に首を捻った際から頭痛が出現し,その後頭痛の増強,立位保持困難,構音障害を訴え救急搬送された.精査にて頸部左内頸動脈解離による脳梗塞を認め,抗凝固療法を行い経過良好であったが,第14 病日のMRI にて新たに頸部左椎骨動脈解離を認めた.無症候であったため抗凝固療法を継続し,第26 病日に退院し外来通院とした.発症5 カ月後には両血管とも正常に復していたが,発症6 カ月目に頭痛,めまいで救急搬送され,新たに頸部右内頸動脈解離を認めた.本邦では頸部動脈解離の再発例に関する報告が少なく,特に本症例のように約半年間で異なる頸部血管に3 回にわたり解離が出現した報告はない.本症例では3 カ所の解離部位がいずれも類似した高位であることから,発症時期は異なるものの1 回のminor neck injury が誘因となった可能性が考えられた. |
|---|---|
| ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
| DOI: | 10.3995/jstroke.37.161 |