脳動静脈奇形の摘出術における術前塞栓術の意義について
「はじめに」脳動静脈奇形(AVM)の摘出術において, 術前塞栓術を行うことの意義がおもに血行動態の面から強調されている. これ以外にも術前塞栓術の意義はあると思われるが, どのような点で術前塞栓術が有利であるかについの具体的で詳細な記載は少ない. また塞栓術の最適な施行時期や, 塞栓術をしたため摘出術が逆に困難となる場合もあろうが, これについての記載も多くはない. そこで私どもが最近行った6症例の経験をもとに, AVM術前塞栓術の功罪について考えてみたい. 「症例」術前塞栓術を施行したAVM症例の一覧をTable1に示す. 部位は大脳皮質3例, 小脳虫部1例, 脳梁1例, 視床 - 頭頂 -...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 21; no. 4; pp. 281 - 286 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
1993
日本脳卒中の外科研究会 |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs1987.21.4_281 |
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Summary: | 「はじめに」脳動静脈奇形(AVM)の摘出術において, 術前塞栓術を行うことの意義がおもに血行動態の面から強調されている. これ以外にも術前塞栓術の意義はあると思われるが, どのような点で術前塞栓術が有利であるかについの具体的で詳細な記載は少ない. また塞栓術の最適な施行時期や, 塞栓術をしたため摘出術が逆に困難となる場合もあろうが, これについての記載も多くはない. そこで私どもが最近行った6症例の経験をもとに, AVM術前塞栓術の功罪について考えてみたい. 「症例」術前塞栓術を施行したAVM症例の一覧をTable1に示す. 部位は大脳皮質3例, 小脳虫部1例, 脳梁1例, 視床 - 頭頂 - 後頭葉1例であった. いずれもSpetzlerのgrade IIIないしVであった. 塞栓術は1回だけ行ったものが3例, 2回行ったものが2例, 4回行ったものが1例である. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs1987.21.4_281 |