急性期脳梗塞に対するオザグレルナトリウムの投与開始時間と予後に関する検討

オザグレルナトリウムは脳血栓症急性期(特に発症5日以内)の治療薬剤として広く用いられている.その投与開始時間と予後との関連についてはいくつかの報告があるが,stroke scaleを用いて検討した報告は十分でなく一定の見解が得られていない.我々は急性期脳梗塞患者のうちオザグレルナトリウムを投与した198例(ラクナ梗塞(LA)118例,アテローム血栓性脳梗塞(AT)80例)に対し投与開始時間を3群に分けそれぞれの時間にJapan Stroke Scale(JSS),NIH Stroke Scale(NIHSS),modified Rankin Scale(m-RS)を用いて機能評価を行い本剤の有...

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Published in脳卒中 Vol. 30; no. 1; pp. 1 - 6
Main Authors 石川, 達也, 大友, 卓, 松田, 博, 北川, 泰久, 高木, 繁治, 湯浅, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2008
日本脳卒中学会
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.30.1

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Summary:オザグレルナトリウムは脳血栓症急性期(特に発症5日以内)の治療薬剤として広く用いられている.その投与開始時間と予後との関連についてはいくつかの報告があるが,stroke scaleを用いて検討した報告は十分でなく一定の見解が得られていない.我々は急性期脳梗塞患者のうちオザグレルナトリウムを投与した198例(ラクナ梗塞(LA)118例,アテローム血栓性脳梗塞(AT)80例)に対し投与開始時間を3群に分けそれぞれの時間にJapan Stroke Scale(JSS),NIH Stroke Scale(NIHSS),modified Rankin Scale(m-RS)を用いて機能評価を行い本剤の有効性に及ぼす影響について検討した.LAおよびATにおいてJSS 3.0以上の中等症例で発症6時間以内の投与例で改善が良好で,m-RSの検討ではLA, ATともに投与開始時間における重症度に関して一定の見解が得られなかった.以上の結果より,発症6時間以内のオザグレルナトリウムの早期投与はLA, ATいずれにおいても臨床症状の改善に役立つと思われた.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.30.1