ビスフォスフォネート関連顎骨壊死に対するポジションペーパー

「I. ポジションペーパーの目的」ビスフォスフォネート(BP)は骨粗鬆症治療の第一選択薬であり, その他にもがん患者や骨量が減少する疾患に対して有効な治療法として使用されている. 近年, BP製剤を投与されているがん患者や骨粗鬆症患者が抜歯などの侵襲的歯科治療を受けた後に, 顎骨壊死(Bisphosphonate-Related Osteonecrosis of the Jaw, BRONJ)が発生し, BP製剤とBRONJの関連性を示唆する報告が相次いでいる. わが国においてもBRONJ発生の報告が集積しつつあり, BRONJに対する早急な対応が迫られている. しかしながら, BRONJの発...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 52; no. 3; pp. 265 - 269
Main Authors 宗圓, 聰, 杉本, 利嗣, 太田, 博明, 高橋, 俊二, 豊澤, 悟, 永田, 俊彦, 米田, 俊之, 田口, 明, 萩野, 浩, 浦出, 雅裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 2010
日本歯周病学会
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.52.265

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Summary:「I. ポジションペーパーの目的」ビスフォスフォネート(BP)は骨粗鬆症治療の第一選択薬であり, その他にもがん患者や骨量が減少する疾患に対して有効な治療法として使用されている. 近年, BP製剤を投与されているがん患者や骨粗鬆症患者が抜歯などの侵襲的歯科治療を受けた後に, 顎骨壊死(Bisphosphonate-Related Osteonecrosis of the Jaw, BRONJ)が発生し, BP製剤とBRONJの関連性を示唆する報告が相次いでいる. わが国においてもBRONJ発生の報告が集積しつつあり, BRONJに対する早急な対応が迫られている. しかしながら, BRONJの発生頻度や病態に関する情報・知識などが広く正確に行きわたっておらず, 発生機序が不明で, 予防法や対処法も確立されていないために医師, 歯科医師, 薬剤師, コメディカル, コデンタル, そして患者の間に混乱を招いている. 本ポジションペーパーは, 日本骨粗鬆学会, 日本骨代謝学会, 日本歯周病学会, 日本歯科放射線学会および日本口腔外科学会の協力のもとに, 骨研究を専門とする内科医, 整形外科医, リウマチ医, 産婦人科医, 腫瘍内科医, 口腔外科医, 歯周病医, 歯科放射線科医, 口腔病理医, 腫瘍生物学者から構成される“ビスフォスフォネート関連顎骨壊死検討委員会”が, BRONJに関する正確な科学的情報を収集し, その予防策や対応策について統一的見解を提言することを目的として作成された.
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.52.265