CEA高値で発見された非症候性膵グルカゴノーマの1例

症例は48歳,男性.2004年1月特発性気胸にてブラを切除した際カルチノイドを偶然発見し,後日右上葉切除術を施行した.切除切片には明らかな腫瘍は認めず,以後経過観察していた.2006年3月よりCEAが上昇してきたためPET-CTを施行.肝右葉及び膵尾部にFDGの集積を認めた.CTでも肝S8に直径3.7cm大の辺縁にring enhanceを伴う腫瘍と膵尾部に直径3.5cm大の境界明瞭な腫瘍を認めた.確定診断のため肝腫瘍生検を施行し,神経内分泌系細胞よりなる腫瘍と診断した.また膵内分泌検査ではグルカゴンの著明な上昇を認めたが,グルカゴノーマ症候群を呈することはなかった.以上よりCEA産生非症候性...

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Published in膵臓 Vol. 23; no. 2; pp. 140 - 145
Main Authors 竹原, 徹郎, 森井, 英一, 西田, 勉, 辻, 晋吾, 筒井, 秀作, 飯島, 英樹, 田村, 信司, 辻井, 正彦, 武田, 裕, 疋田, 隼人, 北川, 透, 山本, 克己, 林, 紀夫, 平松, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 2008
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.23.140

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Summary:症例は48歳,男性.2004年1月特発性気胸にてブラを切除した際カルチノイドを偶然発見し,後日右上葉切除術を施行した.切除切片には明らかな腫瘍は認めず,以後経過観察していた.2006年3月よりCEAが上昇してきたためPET-CTを施行.肝右葉及び膵尾部にFDGの集積を認めた.CTでも肝S8に直径3.7cm大の辺縁にring enhanceを伴う腫瘍と膵尾部に直径3.5cm大の境界明瞭な腫瘍を認めた.確定診断のため肝腫瘍生検を施行し,神経内分泌系細胞よりなる腫瘍と診断した.また膵内分泌検査ではグルカゴンの著明な上昇を認めたが,グルカゴノーマ症候群を呈することはなかった.以上よりCEA産生非症候性膵グルカゴノーマと診断し,膵尾部脾臓合併切除及び肝S8部分切除を施行した.膵腫瘍,肝腫瘍いずれも,免疫染色にてグルカゴンとCEAの産生が確認された.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.23.140