人工物による乳房再建術の日帰り麻酔

乳房切除術後の人工物による乳房再建術は,組織拡張器ティッシュ・エキスパンダー挿入術(以下,EXP挿入術)によりスペース作成後,シリコンインプラント入れ替え術(以下,入れ替え術)を施行する.当院では,これらの手術を年間約400件,日帰り全身麻酔で行っている.実際の麻酔管理を提示し,2007年4~11月に施行された,ASAクラス I ~II患者のEXP挿入術75例,入れ替え術106例について,術後合併症の発生頻度と,麻酔方法別および手術別の術後合併症の頻度差を,患者アンケートにより調べ比較検討した.その結果,創痛が最も多く,嘔気,頭痛,眩暈の順であった.創痛はEXP挿入術で多く,頭痛は入れ替え術で...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 31; no. 5; pp. 854 - 859
Main Authors 長澤, 実佳, 佐々木, 千晶, 岩平, 佳子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2011
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.31.854

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Summary:乳房切除術後の人工物による乳房再建術は,組織拡張器ティッシュ・エキスパンダー挿入術(以下,EXP挿入術)によりスペース作成後,シリコンインプラント入れ替え術(以下,入れ替え術)を施行する.当院では,これらの手術を年間約400件,日帰り全身麻酔で行っている.実際の麻酔管理を提示し,2007年4~11月に施行された,ASAクラス I ~II患者のEXP挿入術75例,入れ替え術106例について,術後合併症の発生頻度と,麻酔方法別および手術別の術後合併症の頻度差を,患者アンケートにより調べ比較検討した.その結果,創痛が最も多く,嘔気,頭痛,眩暈の順であった.創痛はEXP挿入術で多く,頭痛は入れ替え術で多かった.安全な日帰り麻酔のためには,術後合併症を予測し,予防に最善を尽くし,患者への教育も必要であると思われる.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.31.854