外側膝状体近傍障害による4分盲を呈した脳内出血の2症例

• Published in: 脳卒中 Vol. 35; no. 3; pp. 216 - 220
• Main Authors: 井田, 裕己, 中瀬, 裕之, 輪島, 大介, 横田, 浩
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本脳卒中学会 2013; 日本脳卒中学会
• Subjects: congruency; intracranial hemorrhage; lateral geniculate body; quadrantanopia
• ISSN: 0912-0726; 1883-1923
• DOI: 10.3995/jstroke.35.216

[要旨]: 外側膝状体の血管病変では同名性半盲や4分盲を呈することが報告されているが, その脳血管障害の報告および外側膝状体病変と視野障害の関係についての報告はまだ少なくその左右眼の視野障害の視野の一致・不一致についても議論の余地がある. 今回我々は4分盲を呈し画像診断にて外側膝状体近傍の出血性病変が確認された2症例を経験したのでこれを報告し視野障害の成因につき文献的報告を加えて考察する. [はじめに] 外側膝状体1-6) (lateral geniculate body; LGB)および側頭葉7), 後頭葉8)の病変(出血や梗塞, 脳動静脈奇形, 腫瘍など)では同名性半盲を生じることが報告されている. 特にLGBの血管病変では扇状視野欠損を含めた半盲や4分盲を呈することが報告されている2,3)が, これらの症状を呈する脳血管障害の報告および外側膝状体病変と視野障害の関係についての報告はまだ少なく左右眼の視野障害の視野の一致・不一致についても議論の余地がある9-11).