In vitro 実験系による肺がん化学療法レジメンの抗腫瘍効果の評価

『緒言』 がんは日本人の死亡原因疾病の第一位を占め, その死亡者数は年々増加傾向にある. 全がん種の死亡率のうち肺がんは男性では第一位を, 女性では胃がんに次いで第二位を占めており, 日本人のがん死亡原因の第一位に至った. 肺がんはその組織型により小細胞肺がんとそれ以外の腺がん, 扁平上皮がん, 大細胞がんを含む非小細胞肺がんに大別される. 小細胞肺がんは増殖速度が速く, 抗がん剤に対する感受性も高いため化学療法が第一選択とされる. 一方, 非小細胞肺がんは増殖速度が遅く, 抗がん剤に対する感受性も低いために手術や放射線療法などの局所療法が第一選択とされる1). しかしながら, 切除不能のII...

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Published in医療薬学 Vol. 36; no. 4; pp. 220 - 226
Main Authors 沖, 洋充, 小林, 正紀, 笠師, 久美子, 平野, 剛, 菅原, 満, 斎藤, 由起子, 高橋, 夏子, 板垣, 史郎, 井関, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2010
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.36.220

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Summary:『緒言』 がんは日本人の死亡原因疾病の第一位を占め, その死亡者数は年々増加傾向にある. 全がん種の死亡率のうち肺がんは男性では第一位を, 女性では胃がんに次いで第二位を占めており, 日本人のがん死亡原因の第一位に至った. 肺がんはその組織型により小細胞肺がんとそれ以外の腺がん, 扁平上皮がん, 大細胞がんを含む非小細胞肺がんに大別される. 小細胞肺がんは増殖速度が速く, 抗がん剤に対する感受性も高いため化学療法が第一選択とされる. 一方, 非小細胞肺がんは増殖速度が遅く, 抗がん剤に対する感受性も低いために手術や放射線療法などの局所療法が第一選択とされる1). しかしながら, 切除不能のIIIa~IV期の症例にはシスプラチンなどの白金製剤を含む化学療法が標準療法とされている. 非小細胞肺がん化学療法はシスプラチンを含むレジメンの導入以降, その奏効率は20~60%と上昇しているが, それが生存率の延長につながっているかは未だ明らかとなってはいないのが現状である2).
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.36.220