昭和大学藤が丘病院における抗 MRSA 薬の適正使用へ向けた ICT の取り組み
「緒言」近年, 医療現場において抗methicillin resistant Staphy-lococcus aureus(MRSA)薬の濫用や耐性菌出現などが危惧されている. 抗MRSA薬の予防投与についてはさまざまな議論があるが, 漫然と使用することにより, バンコマイシン(以下, VCMと略す)耐性腸球菌等の耐性菌を誘導しかねないこともあり1,2), 抗MRSA薬の適性使用は感染対策において必須であり, 日本感染症学会(http://www.kansensho.or.jp/)でも, 適正使用が強く望まれている. 昭和大学藤が丘病院(以下, 当院と略す)においても, 2003年にinten...
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| Published in | 医療薬学 Vol. 33; no. 7; pp. 607 - 612 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人日本医療薬学会
2007
日本医療薬学会 |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
| DOI | 10.5649/jjphcs.33.607 |
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| Summary: | 「緒言」近年, 医療現場において抗methicillin resistant Staphy-lococcus aureus(MRSA)薬の濫用や耐性菌出現などが危惧されている. 抗MRSA薬の予防投与についてはさまざまな議論があるが, 漫然と使用することにより, バンコマイシン(以下, VCMと略す)耐性腸球菌等の耐性菌を誘導しかねないこともあり1,2), 抗MRSA薬の適性使用は感染対策において必須であり, 日本感染症学会(http://www.kansensho.or.jp/)でも, 適正使用が強く望まれている. 昭和大学藤が丘病院(以下, 当院と略す)においても, 2003年にintensive care unit(ICU)でMRSAがアウトブレイクしたことを契機に, インフェクションコントロールチーム(ICT)を中心にMRSAに対してさまざまな感染対策が積極的に行われるようになった. 新規MRSA入院患者と抗MRSA薬の使用状況のICTでの定期的な報告や, チームによる抗MRSA薬適正使用についての有用な報告もあることから3), 当院でも, ICTチームによる院内ラウンドと感染対策の具体的提案, 感染セミナーによる医療スタッフの教育啓発などを行うこと, さらに2004年1月からは抗MRSA薬を使用する際には, 使用目的や対象疾患を記載した使用届出票を提出することを努力義務とし, 抗MRSAi薬の適正使用推進を図った. これらの取り組みを評価する目的で, 2003年と2004年の, 抗MRSA薬の使用量の推移と, MRSA陽性患者数の推移を解析したので報告する. |
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| ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
| DOI: | 10.5649/jjphcs.33.607 |