頸部主幹動脈の動脈硬化性病変に対するPTA治療の経験

「はじめに」1964年, Dotter & Judkinsがpercutaneous transluminal angioplasty (PTA) による治療を考案した. その後, balloon catheterの改良に伴い, 冠動脈に限らず腎動脈や四肢血管の狭窄病変にも応用され, 良好な結果を得てきた. しかし, 脳へ血液を供給する頸部主幹動脈の狭窄病変では, 末梢への塞栓が危惧され, 適用されることがなかった. 1980年にKerberが総頸動脈の狭窄病変をballoon catheterを用いて拡張し, 1981年に椎骨動脈のPTA症例をMotarjemeが報告した. その後,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中の外科 Vol. 21; no. 2; pp. 141 - 147
Main Authors 根岸, 正敏, 高玉, 真, 藤巻, 広也, 宮城, 修, 曲沢, 聡, 柴崎, 尚, 朝倉, 健, 大江, 千廣, 宮崎, 瑞穂, 内藤, 功, 岩井, 丈幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 1993
日本脳卒中の外科研究会
Online AccessGet full text
ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs1987.21.2_141

Cover

More Information
Summary:「はじめに」1964年, Dotter & Judkinsがpercutaneous transluminal angioplasty (PTA) による治療を考案した. その後, balloon catheterの改良に伴い, 冠動脈に限らず腎動脈や四肢血管の狭窄病変にも応用され, 良好な結果を得てきた. しかし, 脳へ血液を供給する頸部主幹動脈の狭窄病変では, 末梢への塞栓が危惧され, 適用されることがなかった. 1980年にKerberが総頸動脈の狭窄病変をballoon catheterを用いて拡張し, 1981年に椎骨動脈のPTA症例をMotarjemeが報告した. その後, 頸部主幹動脈の動脈硬化性狭窄病変に対するPTAが数多く試みられている. 我々は11例の頸部主幹動脈の狭窄病変に対し, 再発予防の目的でPTA治療を試みた. 手技や適応について述べるとともに, その後のfollow-up studyから若干の知見を得たので報告する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.21.2_141