乾燥ろ紙を用いた母乳中の抗アレルギー薬cetirizine・levocetirizine測定系確立
「緒言」母乳中薬物移行性に関する情報は, 授乳期の薬物療法時に不可欠であるが, 当然ながら大規模な臨床試験を実施することは不可能であり, 多くの文献および参考図書においては動物実験や少数の症例報告を基に作成されているのが現状である. また授乳期の薬剤服用の多くは, 外来において行われるため, 被験者の招集と検体回収は煩雑となる. 薬剤の脂溶性や分子量, 半減期等の物性を加味したうえで, 医師や薬剤師に安全と判断され服用された患者の協力を得ることは可能であるが, 単施設のみでは授乳期に薬剤を服用する症例を確保しにくいため, 実施できたとしても症例数は限られ, 確立された情報はエビデンスに乏しいと...
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| Published in | 医療薬学 Vol. 42; no. 10; pp. 661 - 669 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.10.2016
日本医療薬学会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
| DOI | 10.5649/jjphcs.42.661 |
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| Summary: | 「緒言」母乳中薬物移行性に関する情報は, 授乳期の薬物療法時に不可欠であるが, 当然ながら大規模な臨床試験を実施することは不可能であり, 多くの文献および参考図書においては動物実験や少数の症例報告を基に作成されているのが現状である. また授乳期の薬剤服用の多くは, 外来において行われるため, 被験者の招集と検体回収は煩雑となる. 薬剤の脂溶性や分子量, 半減期等の物性を加味したうえで, 医師や薬剤師に安全と判断され服用された患者の協力を得ることは可能であるが, 単施設のみでは授乳期に薬剤を服用する症例を確保しにくいため, 実施できたとしても症例数は限られ, 確立された情報はエビデンスに乏しいと言える. 乾燥ろ紙による検体採取と回収は, 新生児マススクリーニングや遠隔地における血液検査(HIV, ウイルス肝炎, 梅毒)や生体試料中の薬物濃度定量等に利用される手段であり, 生体試料回収を簡便化することができる. |
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| ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
| DOI: | 10.5649/jjphcs.42.661 |