福岡大学病院における薬剤師レジデント制度の構築

「緒言」わが国では2006年より薬学部学生に対する6年制教育が始まった. 一方, 薬剤師の臨床現場では, 特定の分野に優れた経験や技能, 知識を有する専門薬剤師の認定が始まっている. 現在, がん専門薬剤師制度, 感染制御専門薬剤師などの専門薬剤師制度が始まり, 薬剤師による質の高い医療の提供が要望されている. 6年制教育では6カ月間の長期実務実習が課せられているが, ただちに臨床で満足のいく薬剤師を養成することは困難である. 米国での薬学教育には, Pharm. D課程に加え, 卒後のレジデンシーコースがファーマシューテイカルケア実践に重要であるといわれている1). したがって, わが国にお...

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Published in医療薬学 Vol. 34; no. 9; pp. 853 - 859
Main Authors 鷲山, 厚司, 土師, 清, 川原, 義弘, 脇田, 昌子, 緒方, 憲太郎, 二神, 幸次郎, 井口, 裕詔, 波多野, 純義, 木下, 祥一, 山本, 知佳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2008
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.34.853

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Summary:「緒言」わが国では2006年より薬学部学生に対する6年制教育が始まった. 一方, 薬剤師の臨床現場では, 特定の分野に優れた経験や技能, 知識を有する専門薬剤師の認定が始まっている. 現在, がん専門薬剤師制度, 感染制御専門薬剤師などの専門薬剤師制度が始まり, 薬剤師による質の高い医療の提供が要望されている. 6年制教育では6カ月間の長期実務実習が課せられているが, ただちに臨床で満足のいく薬剤師を養成することは困難である. 米国での薬学教育には, Pharm. D課程に加え, 卒後のレジデンシーコースがファーマシューテイカルケア実践に重要であるといわれている1). したがって, わが国においても幅広い実務を経験できる薬剤師免許取得後の卒後研修の充実が望まれる. 卒後研修制度には, 厚生労働省薬剤師実務研修事業として日本薬剤師研修センター(JPEC:The Japan Pharmacists Education Center)が薬学教育6年制の実現を受けて, すでに4年制課程を卒業した薬剤師に6年制新カリキュラムで強化された医療薬学や長期実務実習の教育内容を体験させ, 個々の知識, 技能, 態度のスキルアップを図る新カリキュラム対応の実務研修が2008年より実施されている.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.34.853