プラバスタチン製剤先発医薬品と後発医薬品における臨床効果の比較

「緒言」近年, 高騰する医療費が社会問題となっているなかで, 後発医薬品使用による医療費抑制効果が期待されている1〕. しかし, 後発医薬品の使用に際して, 後発医薬品の情報量が先発医薬品に比べて少ない2)ことや, 銘柄間の品質や情報の質に差異があること3-6)が問題視されている. また, 先発医薬品から後発医薬品への切り替えによって臨床効果が減弱した例7, 8)や, 副作用が発現した症例9, 10)等の報告は, 後発医薬品が先発医薬品と同一のものではないことを示している. 以前, われわれは, 高脂血症治療薬プラバスタチン製剤の先発医薬品から公立甲賀病院(以下, 当院と略す)採用の某社後発医...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医療薬学 Vol. 32; no. 9; pp. 912 - 916
Main Authors 國領, 俊之, 松本, 名美, 山田, 衆, 菅原, 義生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2006
日本医療薬学会
Online AccessGet full text
ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.32.912

Cover

More Information
Summary:「緒言」近年, 高騰する医療費が社会問題となっているなかで, 後発医薬品使用による医療費抑制効果が期待されている1〕. しかし, 後発医薬品の使用に際して, 後発医薬品の情報量が先発医薬品に比べて少ない2)ことや, 銘柄間の品質や情報の質に差異があること3-6)が問題視されている. また, 先発医薬品から後発医薬品への切り替えによって臨床効果が減弱した例7, 8)や, 副作用が発現した症例9, 10)等の報告は, 後発医薬品が先発医薬品と同一のものではないことを示している. 以前, われわれは, 高脂血症治療薬プラバスタチン製剤の先発医薬品から公立甲賀病院(以下, 当院と略す)採用の某社後発医薬品への切り替え後4週間の臨床効果について報告した11). しかし, 先発医薬品と後発医薬品の切り替え時に休薬期間が設定されていなかったことから, 切り替え後4週間では両薬剤の臨床効果を分離評価するには不十分である可能性が考えられた. そこで, 本検討では, さらに後発医薬品切り替え約12週後の後発医薬品の有効性および安全性について先発医薬品とレトロスペクティブに比較検討を行ったので報告する.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.32.912