腎機能低下患者における入院時持参薬の使用実態と適正使用への取り組み
「緒言」 現在, 世界的に末期腎不全による透析患者が増加しており, 医療経済上も大きな問題となっている. 日本における透析患者数は, 毎年1万人以上のペースで増加し続けており, 2010年には約30万人に達すると推定されている. このようななか, 慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)という疾患概念が提唱され, 日本においても2007年, 「CKD診療ガイド」が出版された. CKDは, 「尿蛋白陽性などの腎疾患の存在を示す所見」, もしくは「腎機能低下(糸球体ろ過量(以下, GFRと略す)が60mL/min/1.73m2未満)」が3ヵ月以上続く状態と定義されている....
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Published in | 医療薬学 Vol. 35; no. 7; pp. 509 - 515 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
2009
日本医療薬学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.35.509 |
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Summary: | 「緒言」 現在, 世界的に末期腎不全による透析患者が増加しており, 医療経済上も大きな問題となっている. 日本における透析患者数は, 毎年1万人以上のペースで増加し続けており, 2010年には約30万人に達すると推定されている. このようななか, 慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)という疾患概念が提唱され, 日本においても2007年, 「CKD診療ガイド」が出版された. CKDは, 「尿蛋白陽性などの腎疾患の存在を示す所見」, もしくは「腎機能低下(糸球体ろ過量(以下, GFRと略す)が60mL/min/1.73m2未満)」が3ヵ月以上続く状態と定義されている. 日本腎臓学会慢性腎臓病対策委員会疫学調査ワーキンググループによると, 日本におけるCKD患者数は, 20歳以上の年齢層においてGFRが60mL/min/1.73m2未満の人は1,926万人(20歳以上の全人口の18.7%), 50mL/min/1.73m2未満の人は418万人(4.1%)であると推定している1,2). |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.35.509 |