膵石に対する非手術的治療の成績と長期経過―再発と膵外分泌機能を中心に

膵石症に対してESWL及び内視鏡を用いて治療を行った100例について,治療成績と外分泌機能を検討した.結石消失はESWL単独では52例,ESWLに内視鏡治療を併用することで89例に認めた.アルコール性や膵石分布が1区域のみに存在する症例では結石消失率が高率であった.再発は40%(32/80例)に認め,再発までの期間は平均16.3ヶ月であった.早期再発は18例,1年以降に発生した後期再発は14例であった.早期再発は主膵管狭窄症例,後期再発はアルコール性に高率であった.治療後1年以内にPFD試験を実施した64例中,治療前の機能が保たれていたのは45例で,非高齢者,男性,結石径10mm以上,膵萎縮の...

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Published in膵臓 Vol. 26; no. 6; pp. 699 - 708
Main Authors 乾, 和郎, 小林, 隆, 三好, 広尚, 山本, 智支, 芳野, 純治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 2011
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.26.699

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Summary:膵石症に対してESWL及び内視鏡を用いて治療を行った100例について,治療成績と外分泌機能を検討した.結石消失はESWL単独では52例,ESWLに内視鏡治療を併用することで89例に認めた.アルコール性や膵石分布が1区域のみに存在する症例では結石消失率が高率であった.再発は40%(32/80例)に認め,再発までの期間は平均16.3ヶ月であった.早期再発は18例,1年以降に発生した後期再発は14例であった.早期再発は主膵管狭窄症例,後期再発はアルコール性に高率であった.治療後1年以内にPFD試験を実施した64例中,治療前の機能が保たれていたのは45例で,非高齢者,男性,結石径10mm以上,膵萎縮のない症例で保たれていた.1年以降では改善・不変であったのは27例中17例で,主膵管狭窄症例,膵萎縮のない症例で保たれていた.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.26.699