外来化学療法における服薬指導の充実のための病棟-外来間連携ツールの構築
[緒言] わが国の悪性新生物(いわゆる「がん」)の死亡率は一貫して上昇傾向を示しており, いまや3人に1人はがんによって死亡するという時代となっている1). そのような状況のなか, これまでのがん化学療法は, 入院にて完全管理のもと行われてきた. しかし, 現在, 治療標準化の徹底やコ・メディカルの能力向上など外来における管理体制も充実してきており, 外来化学療法加算の新設を機に, 患者のQOL(生活の質)の向上にも大いに寄与する方法として, 外来化学療法が拡大しつつある. 北海道大学病院(以下, 当院と略す)においても, 2004年に外来治療センターが新設され, 専任薬剤師(以下, センター...
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| Published in | 医療薬学 Vol. 33; no. 2; pp. 152 - 158 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人日本医療薬学会
2007
日本医療薬学会 |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
| DOI | 10.5649/jjphcs.33.152 |
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| Summary: | [緒言] わが国の悪性新生物(いわゆる「がん」)の死亡率は一貫して上昇傾向を示しており, いまや3人に1人はがんによって死亡するという時代となっている1). そのような状況のなか, これまでのがん化学療法は, 入院にて完全管理のもと行われてきた. しかし, 現在, 治療標準化の徹底やコ・メディカルの能力向上など外来における管理体制も充実してきており, 外来化学療法加算の新設を機に, 患者のQOL(生活の質)の向上にも大いに寄与する方法として, 外来化学療法が拡大しつつある. 北海道大学病院(以下, 当院と略す)においても, 2004年に外来治療センターが新設され, 専任薬剤師(以下, センター担当薬剤師), 専任看護師, 兼任医師を配置して運営されている2). 当センターは, 外来患者に対して化学療法を施行する専門施設である. 患者は, 各診療科において血液検査などの各種検査を行い, 主治医により化学療法の施行に耐え得ると診察された場合, 当センターを訪室する(図1). 外来治療センターは, センター担当薬剤師全5名のうち, ローテーションにて1日2名で担当し, それぞれ抗がん剤の調製と監査, 服薬指導を行っている. |
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| ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
| DOI: | 10.5649/jjphcs.33.152 |