PF療法誘発性嘔吐の発現程度とIN・OUTバランス量との関連性の検討

「緒言」がん化学療法誘発性悪心・嘔吐(chemotherapy-induced nausea and vomiting: CINV)は, 抗がん剤投与後24時間以内に発現する急性CINV, 投与後24時間以降に発現し3~5日持続する遅発性CINV, 治療への不安感や過去のCINVのエピソードにより投与前から発現する予測性CINVに分類されている. CINVの発現により, 患者のQOLや治療意欲の低下, 治療の中止・延期などにつながる恐れがあるため, CINV対策は非常に重要である. シスプラチンをはじめとするプラチナ製剤はCINVの発現頻度が高いことが知られている. セロトニン(5-hydro...

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Published in医療薬学 Vol. 41; no. 12; pp. 846 - 854
Main Authors 小森, 由美子, 肥田, 裕丈, 山田, 清文, 野田, 幸裕, 大塚, 光穂, 加藤, 博史, 椿井, 朋, 宮崎, 典子, 宮崎, 雅之, 竹内, 美緒, 後藤, 綾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.12.2015
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.41.846

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Summary:「緒言」がん化学療法誘発性悪心・嘔吐(chemotherapy-induced nausea and vomiting: CINV)は, 抗がん剤投与後24時間以内に発現する急性CINV, 投与後24時間以降に発現し3~5日持続する遅発性CINV, 治療への不安感や過去のCINVのエピソードにより投与前から発現する予測性CINVに分類されている. CINVの発現により, 患者のQOLや治療意欲の低下, 治療の中止・延期などにつながる恐れがあるため, CINV対策は非常に重要である. シスプラチンをはじめとするプラチナ製剤はCINVの発現頻度が高いことが知られている. セロトニン(5-hydroxytryptamine: 5-HT) 5-HT3受容体拮抗薬およびステロイド薬の前投薬を行わずにシスプラチンを投与した場合, 実施患者の90%以上にCINVが発現することが報告されている. 従って, シスプラチンは海外や国内の種々のガイドラインにおいて, 高度催吐性抗がん剤として分類されている.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.41.846