人工内耳装用者におけるギャップ検出閾値が語音聴取に与える影響

要旨: 本研究では, 人工内耳装用者の時間分解能をギャップ検出閾値を用いて明らかにし, さらに, ギャップ検出閾値と語音聴取能との関連についても検討した。対象は, 人工内耳装用者23名, 対照群として健聴者10名とした。ギャップ検出課題は, 2-34ms まで測定可能な適応型 GDT を用いて測定した。また, 語音聴取能の測定には, CI2004 の単音節, 単語, 日常会話文を用いて検討した。その結果, 人工内耳装用者のギャップ検出閾値は健聴者に比し閾値の上昇が著しく, 8-34ms と個人差が大きかった。ギャップ検出閾値と語音聴取能との関連については, 単音節, 単語, 日常会話文, 全て...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 65; no. 1; pp. 44 - 50
Main Authors 坂本, 圭, 城間, 将江, 池園, 哲郎, 高山, 渥也, 小渕, 千絵, 松田, 帆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 28.02.2022
日本聴覚医学会
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.65.44

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Summary:要旨: 本研究では, 人工内耳装用者の時間分解能をギャップ検出閾値を用いて明らかにし, さらに, ギャップ検出閾値と語音聴取能との関連についても検討した。対象は, 人工内耳装用者23名, 対照群として健聴者10名とした。ギャップ検出課題は, 2-34ms まで測定可能な適応型 GDT を用いて測定した。また, 語音聴取能の測定には, CI2004 の単音節, 単語, 日常会話文を用いて検討した。その結果, 人工内耳装用者のギャップ検出閾値は健聴者に比し閾値の上昇が著しく, 8-34ms と個人差が大きかった。ギャップ検出閾値と語音聴取能との関連については, 単音節, 単語, 日常会話文, 全てにおいて負の相関を認めた。しかし, ギャップ検出閾値が20ms 以下の比較的良好な者は語音明瞭度とは必ずしも一致せず, 22ms 以上であると語音聴取能低下に関連する可能性が示唆された。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.65.44