消化器症状をきっかけに発見された急性巣状細菌性腎炎の1例
腹痛,下痢症状により発症した急性巣状細菌性腎炎 (Acute focal bacterial nephritis: AFBN) の6歳,男児例を報告する。発熱,腹痛,下痢にて発症し,入院時の腹部エコー検査での左腎の腫大および上,下極に皮髄境界不明瞭な腫瘤陰影および腹部造影CTにて同部位の非造影領域を確認しAFBNと確定診断した。入院後,抗生剤治療を開始し,症状は速やかに改善し後遺症を残すことなく退院した。治療経過中,左腎腫瘤陰影は腫瘤陰影の縮小とともに高エコー輝度より低エコー輝度へと変化した。AFBNの腎エコーでの腫瘤陰影は高エコー輝度,低エコー輝度を呈する報告などさまざまであるが,本症例の解...
Saved in:
Published in | 日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 20; no. 2; pp. 202 - 207 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
2007
日本小児腎臓病学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0915-2245 1881-3933 |
DOI | 10.3165/jjpn.20.202 |
Cover
Summary: | 腹痛,下痢症状により発症した急性巣状細菌性腎炎 (Acute focal bacterial nephritis: AFBN) の6歳,男児例を報告する。発熱,腹痛,下痢にて発症し,入院時の腹部エコー検査での左腎の腫大および上,下極に皮髄境界不明瞭な腫瘤陰影および腹部造影CTにて同部位の非造影領域を確認しAFBNと確定診断した。入院後,抗生剤治療を開始し,症状は速やかに改善し後遺症を残すことなく退院した。治療経過中,左腎腫瘤陰影は腫瘤陰影の縮小とともに高エコー輝度より低エコー輝度へと変化した。AFBNの腎エコーでの腫瘤陰影は高エコー輝度,低エコー輝度を呈する報告などさまざまであるが,本症例の解析よりエコー輝度の多様性はその病期に依存する可能性が考えられた。 |
---|---|
ISSN: | 0915-2245 1881-3933 |
DOI: | 10.3165/jjpn.20.202 |