抗精神病薬の血清リチウム濃度に及ぼす影響

「緒言」 炭酸リチウム(商品名:リーマス(R))は双極性障害に対し頻繁に用いられている. 本薬剤は血清濃度の治療域と中毒域が非常に近く, 実臨床においてリチウム中毒事例が多数報告され, 医薬品医療機器総合機構(PMDA)から「炭酸リチウムの血中濃度測定遵守について」の注意喚起がなされている(http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_info/file/tekisei_pmda_07.pdf, 2014年11月13日). 血清リチウム濃度に影響を与える因子としては投与量, 腎機能が知られているが, それらの因子だけでは予測が十分とは言えず, ほかの様々な要因の関与が示唆さ...

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Published in医療薬学 Vol. 41; no. 5; pp. 355 - 359
Main Authors 山田, 尚登, 野田, 哲史, 寺田, 智祐, 森田, 真也, 平, 大樹, 上西, 幸治, 赤羽, 理也, 池田, 義人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.05.2015
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.41.355

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Summary:「緒言」 炭酸リチウム(商品名:リーマス(R))は双極性障害に対し頻繁に用いられている. 本薬剤は血清濃度の治療域と中毒域が非常に近く, 実臨床においてリチウム中毒事例が多数報告され, 医薬品医療機器総合機構(PMDA)から「炭酸リチウムの血中濃度測定遵守について」の注意喚起がなされている(http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_info/file/tekisei_pmda_07.pdf, 2014年11月13日). 血清リチウム濃度に影響を与える因子としては投与量, 腎機能が知られているが, それらの因子だけでは予測が十分とは言えず, ほかの様々な要因の関与が示唆される. 従って, 定期的にTDMを実施する必要がある. 以上より血清リチウム濃度の変動因子が同定できれば臨床上の意義は大きい. ほかの薬剤との相互作用として, 利尿剤, アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤), アンジオテンシンII受容体拮抗剤(ARB), 非ステロイド性抗炎症鎮痛剤(NSAIDs)が変動要因として知られている.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.41.355