Basedow 病を合併し,脳梗塞を発症した可逆的頸部内頸動脈狭窄の1 例
要旨:発症数日前に動悸を自覚し,他院で甲状腺ホルモン値の高値を指摘されていた26 歳女性.左不全片麻痺によりMRI が行われ,右放線冠付近の脳梗塞巣とともに,MRA にて右頸部内頸動脈に著明な狭窄像がみられ,原因病変と考えられた.同時に頻脈や発汗異常がみられBasedow 病と診断し,補液・抗血小板薬と抗甲状腺薬の内服を開始した.その後,甲状腺機能は正常となり,経過観察目的の頭頸部MRA で右頸部内頸動脈狭窄の改善がみられた.Basedow 病が頭蓋内血管に影響したとする報告は散見されるが,本症例のように頸部内頸動脈にも狭窄病変を形成し,一過性脳虚血発作や脳梗塞の発症になり得ることを,脳卒中を...
Saved in:
Published in | 脳卒中 Vol. 36; no. 1; pp. 51 - 53 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2014
日本脳卒中学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.36.51 |
Cover
Summary: | 要旨:発症数日前に動悸を自覚し,他院で甲状腺ホルモン値の高値を指摘されていた26 歳女性.左不全片麻痺によりMRI が行われ,右放線冠付近の脳梗塞巣とともに,MRA にて右頸部内頸動脈に著明な狭窄像がみられ,原因病変と考えられた.同時に頻脈や発汗異常がみられBasedow 病と診断し,補液・抗血小板薬と抗甲状腺薬の内服を開始した.その後,甲状腺機能は正常となり,経過観察目的の頭頸部MRA で右頸部内頸動脈狭窄の改善がみられた.Basedow 病が頭蓋内血管に影響したとする報告は散見されるが,本症例のように頸部内頸動脈にも狭窄病変を形成し,一過性脳虚血発作や脳梗塞の発症になり得ることを,脳卒中を扱う臨床医が知っておくことは重要である. |
---|---|
ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.36.51 |