調剤インシデントの分類に応じた危険度の推定

「緒言」医療における安全対策が進んできてはいるものの, 医療事故に関する報道は後を絶たない. 薬剤師は様々な現場で医療事故の防止に努めなければならないが, 特に薬剤業務の主体である調剤の過誤防止に対しては継続的な努力が必要である. 九州大学病院薬剤部(当院)では, ISO9001品質管理システムに基づいた過誤防止対策の取り組みにより, 2005~2011年度の内用・外用薬の調剤インシデント発生率は0.027~0.038%(平均処方せん枚数:271,046枚/年)を維持している. 同様に, これまでにも様々な医療機関において過誤防止対策とその効果に関する多くの報告がなされてきた. 1-6) しか...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医療薬学 Vol. 39; no. 9; pp. 528 - 535
Main Authors 平川, 良宏, 大石, 了三, 國分, 千代, 川重, 誠, 辻, 敏和, 金谷, 朗子, 末安, 正典, 江頭, 伸昭, 入佐, 俊弘, 鹿子木, 成美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.09.2013
日本医療薬学会
Online AccessGet full text
ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.39.528

Cover

More Information
Summary:「緒言」医療における安全対策が進んできてはいるものの, 医療事故に関する報道は後を絶たない. 薬剤師は様々な現場で医療事故の防止に努めなければならないが, 特に薬剤業務の主体である調剤の過誤防止に対しては継続的な努力が必要である. 九州大学病院薬剤部(当院)では, ISO9001品質管理システムに基づいた過誤防止対策の取り組みにより, 2005~2011年度の内用・外用薬の調剤インシデント発生率は0.027~0.038%(平均処方せん枚数:271,046枚/年)を維持している. 同様に, これまでにも様々な医療機関において過誤防止対策とその効果に関する多くの報告がなされてきた. 1-6) しかし, インシデントをゼロにすることは難しく, 少なくとも重大な事態にならないようにする工夫も同時にこらしていかなければならない. 一般的に, 調剤インシデントの分類に応じた危険度の概念としては, 「計数違い」<「規格違い」<「薬名違い」の順に患者影響が拡大すると認識されているが, それらの危険度の違いは漠然としている.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.39.528