がん患者における医療用麻薬および向精神薬の実態調査

『緒言』 近年, がん治療を始めとする各分野で治療の合併症, 有害事象を減らす医療の最適化の試みが進められている. そのためには患者を合併症の評価や多剤併用の把握等の複数の視点から評価する包括的アセスメントが必要とされており, 中でも入院患者の持参薬管理は薬剤師が関与する有用性が報告1,2)され, 求められている役割である. 塩谷らの報告3)では, 入院患者の8割が持参薬を有していた中の半分で何らかの問題点があったと指摘し, 松原らは薬剤師が持参薬をチェックしたことで4.3%の問題が回避できたことを報告4)している. そのことからも特にがん治療を行う患者の併用薬の把握は, プレアボイド(薬剤師...

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Published in医療薬学 Vol. 37; no. 7; pp. 437 - 441
Main Authors 市田, 泰彦, 川澄, 賢司, 小川, 朝生, 遠藤, 一司, 鈴木, 真也, 藤澤, 大介, 内富, 庸介, 渡邉, 好造, 和泉, 啓司郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2011
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.37.437

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Summary:『緒言』 近年, がん治療を始めとする各分野で治療の合併症, 有害事象を減らす医療の最適化の試みが進められている. そのためには患者を合併症の評価や多剤併用の把握等の複数の視点から評価する包括的アセスメントが必要とされており, 中でも入院患者の持参薬管理は薬剤師が関与する有用性が報告1,2)され, 求められている役割である. 塩谷らの報告3)では, 入院患者の8割が持参薬を有していた中の半分で何らかの問題点があったと指摘し, 松原らは薬剤師が持参薬をチェックしたことで4.3%の問題が回避できたことを報告4)している. そのことからも特にがん治療を行う患者の併用薬の把握は, プレアボイド(薬剤師が薬物療法に直接関与し, 薬学的患者ケアを実践して副作用, 相互作用, 治療効果不十分等の患者の不利益を回避あるいは軽減すること)への貢献はもちろん, 潜在的な薬物有害事象, 薬物間相互作用, 服薬アドヒアランス, 医療経済等の観点から重要である2,5-7).
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.37.437