咽後膿瘍, 化膿性脊椎炎により四肢麻痺を呈した1症例
咽後膿瘍で適切な時期に切開排膿をできなかったため, 化膿性脊椎炎へ進行し, 四肢麻痺を生じた症例を報告する. 症例は, 66歳男性. 平成19年2月28日, 四肢脱力感を認め, 内科入院となった. 急性期脳梗塞はなく, MRIで咽後膿瘍を認めた. 発熱, 頸部痛の持続があり, 抗菌薬治療で改善がないため, 入院9日目に全身麻酔, 懸垂頭位で咽後膿瘍切開排膿術を施行した. しかしながら, 化膿性脊椎炎進行のため, 四肢麻痺を呈し, 緊急で整形外科医により頸椎前方除圧固定術が施行された. 術後はリハビリにより, 平行棒を介助で歩行できる程度までに回復した. 成人例, 高齢者の場合, 懸垂頭位での切...
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Published in | Stomato-pharyngology Vol. 23; no. 2; pp. 189 - 194 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本口腔・咽頭科学会
2010
Japan Society of Stomato-pharyngology |
Subjects | |
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ISSN | 0917-5105 1884-4316 |
DOI | 10.14821/stomatopharyngology.23.189 |
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Summary: | 咽後膿瘍で適切な時期に切開排膿をできなかったため, 化膿性脊椎炎へ進行し, 四肢麻痺を生じた症例を報告する. 症例は, 66歳男性. 平成19年2月28日, 四肢脱力感を認め, 内科入院となった. 急性期脳梗塞はなく, MRIで咽後膿瘍を認めた. 発熱, 頸部痛の持続があり, 抗菌薬治療で改善がないため, 入院9日目に全身麻酔, 懸垂頭位で咽後膿瘍切開排膿術を施行した. しかしながら, 化膿性脊椎炎進行のため, 四肢麻痺を呈し, 緊急で整形外科医により頸椎前方除圧固定術が施行された. 術後はリハビリにより, 平行棒を介助で歩行できる程度までに回復した. 成人例, 高齢者の場合, 懸垂頭位での切開排膿を避け, Trendelenburg体位で施行するのがより適切である. |
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ISSN: | 0917-5105 1884-4316 |
DOI: | 10.14821/stomatopharyngology.23.189 |