客観的データに基づいた点眼液の適正使用に関する検討

「緒言」近年, 白内障手術は進歩しており, 正しく点眼液を使用することが術後の合併症や感染症予防に有効であると言われている. 白内障手術の点眼液には, 術前術後に使用する抗生物質, 抗炎症薬, ステロイド薬などがあり, これらの点眼液を適正使用するために薬剤師の介入は必要不可欠である. 点眼液が処方された際の患者への点眼方法, 手技などの薬剤情報提供は, 保険薬局または, 病院薬剤師により行われているが, 実際に手技確認にまで至らないことが多い. そのため, 適正に使用できているかどうかの把握は, 患者の主観によるものが多く, 問診においても評価が難しい. 患者の自己申告は, 信頼性に欠けるこ...

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Published in医療薬学 Vol. 46; no. 8; pp. 421 - 427
Main Authors 佐藤, 大介, 松波, 寿雄, 枝廣, 茂樹, 大川, 浩子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.08.2020
日本医療薬学会
Subjects
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.46.421

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Summary:「緒言」近年, 白内障手術は進歩しており, 正しく点眼液を使用することが術後の合併症や感染症予防に有効であると言われている. 白内障手術の点眼液には, 術前術後に使用する抗生物質, 抗炎症薬, ステロイド薬などがあり, これらの点眼液を適正使用するために薬剤師の介入は必要不可欠である. 点眼液が処方された際の患者への点眼方法, 手技などの薬剤情報提供は, 保険薬局または, 病院薬剤師により行われているが, 実際に手技確認にまで至らないことが多い. そのため, 適正に使用できているかどうかの把握は, 患者の主観によるものが多く, 問診においても評価が難しい. 患者の自己申告は, 信頼性に欠けることが多く, これらの統計学的な解析はあまり意味をなさないとも考えられている. そのため, 欧米では点眼状況を動画撮影して確認したり, 適切な点眼手技の動画を視聴させ適正使用を促したりする取り組みが行われている.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.46.421