肝細胞がん患者におけるソラフェニブの手足皮膚反応のリスク因子
[緒言] ソラフェニブは, がん細胞の増殖に関与するRAF (RNA polymerase activating factor)とがん周囲の血管新生に関与するVEGFR (血管内皮細胞増殖因子受容体)などに対するマルチキナーゼ阻害剤である.1) ソラフェニブには皮膚に対する特有の有害事象があり, そのなかでも特に注意を要する有害事象として手足皮膚反応(HFSR: hand-foot skin reaction)が挙げられる.2) HFSRは, 直接生命を脅かすものではないが, その症状は著しく患者の生活の質(QOL: quality of life)を悪化させ, ソラフェニブの休薬, 減量の第...
Saved in:
Published in | 医療薬学 Vol. 39; no. 5; pp. 322 - 326 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.05.2013
日本医療薬学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.39.322 |
Cover
Summary: | [緒言] ソラフェニブは, がん細胞の増殖に関与するRAF (RNA polymerase activating factor)とがん周囲の血管新生に関与するVEGFR (血管内皮細胞増殖因子受容体)などに対するマルチキナーゼ阻害剤である.1) ソラフェニブには皮膚に対する特有の有害事象があり, そのなかでも特に注意を要する有害事象として手足皮膚反応(HFSR: hand-foot skin reaction)が挙げられる.2) HFSRは, 直接生命を脅かすものではないが, その症状は著しく患者の生活の質(QOL: quality of life)を悪化させ, ソラフェニブの休薬, 減量の第一の原因に挙げられている. HFSRの頻度は, 欧米を中心に行われたソラフェニブの海外第III相試験(SHARP試験)3)では全Gradeで21%であるのに対し, 中国・台湾・韓国で行われたソラフェニブの海外第III相試験(Asia Pacific試験)では45%,4) 日本で行われたソラフェニブの第I相試験では44%,5) 日本と韓国で行われたソラフェニブの肝動脈化学塞栓療法(TACE)後の補助療法の有効性を検討したランダム化比較試験(Post TACE試験)では82% 6)とアジアで高頻度に認められている. |
---|---|
ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.39.322 |