切除不能非小細胞肺がんにおける化学療法の費用対効果に関する研究pemetrexed・bevacizumabの承認前後を比較して
「緒言」 我が国の国民医療費は, 年々増加の一途を辿っており, 医療費の高騰は社会的な問題として広く国民に認識されている. 厚生労働省が平成29年9月に発表した「平成27年度国民医療費の概況」によると, 平成27年度の国民医療費は42兆3,644億円と, 前年度の40兆8,071億円に比べ1兆5,573億円, 3.8%の増加となっている. このような国民医療費の増加に寄与する要因として, 厚生労働省は, 診療報酬改定, 人口増の影響, 高齢化の影響, 診療報酬改定のうち消費税対応の影響を挙げているが, その他の要因として医療の高度化, 患者負担の見直しなどの影響も公開している. (厚生労働省保...
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Published in | 医療薬学 Vol. 45; no. 7; pp. 386 - 395 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.07.2019
日本医療薬学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.45.386 |
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Summary: | 「緒言」 我が国の国民医療費は, 年々増加の一途を辿っており, 医療費の高騰は社会的な問題として広く国民に認識されている. 厚生労働省が平成29年9月に発表した「平成27年度国民医療費の概況」によると, 平成27年度の国民医療費は42兆3,644億円と, 前年度の40兆8,071億円に比べ1兆5,573億円, 3.8%の増加となっている. このような国民医療費の増加に寄与する要因として, 厚生労働省は, 診療報酬改定, 人口増の影響, 高齢化の影響, 診療報酬改定のうち消費税対応の影響を挙げているが, その他の要因として医療の高度化, 患者負担の見直しなどの影響も公開している. (厚生労働省保険局:医療費の伸びの要因分解, 2016.) すなわち, 医療費の高騰は複数の要因が複雑に関与した結果であり, 年度によっては, その他の要因が高齢化の影響を上回る年もあるなど, 極めて興味深い. このような医療費高騰に対する医療の高度化の影響に関しては, 先進諸国においても同様の報告が散見されており, 医療制度の相違はあるものの, 新しい医療技術や医療の専門化が医療費高騰に及ぼす影響は国境をまたいだ共通認識の問題としてよいだろう. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.45.386 |