検診で要精検となり,乳腺MRI検査を行った症例の検討

乳腺MRIは,乳癌の広がり診断と病変の良性悪性の鑑別診断に用いられている。今回われわれは検診要精検症例でのMRIの有用性を検討した。検診要精検となり当科を受診した364例中,MRIを施行した77例を対象とした。最終診断が乳癌であった症例は18例であり,全要精検例の4.9%であった。カテゴリー別にみると,MMGカテゴリー3の47例では,最終診断が悪性の8例全例でMRIにて悪性所見を指摘し得た。また最終診断が正常あるいは良性であった39例中37例はMRIで悪性所見と診断された。鑑別困難は2例で,いずれも閉経期の乳腺症であった。MMGカテゴリー4の11例では,最終診断悪性は4例で,この全例でMRIで...

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Published in日本乳癌検診学会誌 Vol. 22; no. 3; pp. 411 - 418
Main Authors 高山, 文吉, 伊藤, 研一, 伊藤, 勅子, 村山, 幸一, 家里, 明日美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会 20.10.2013
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ISSN0918-0729
1882-6873
DOI10.3804/jjabcs.22.411

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Summary:乳腺MRIは,乳癌の広がり診断と病変の良性悪性の鑑別診断に用いられている。今回われわれは検診要精検症例でのMRIの有用性を検討した。検診要精検となり当科を受診した364例中,MRIを施行した77例を対象とした。最終診断が乳癌であった症例は18例であり,全要精検例の4.9%であった。カテゴリー別にみると,MMGカテゴリー3の47例では,最終診断が悪性の8例全例でMRIにて悪性所見を指摘し得た。また最終診断が正常あるいは良性であった39例中37例はMRIで悪性所見と診断された。鑑別困難は2例で,いずれも閉経期の乳腺症であった。MMGカテゴリー4の11例では,最終診断悪性は4例で,この全例でMRIでは悪性所見ありと診断された。また最終診断が正常あるいは良性の7例中5例はMRIで悪性所見と診断されたが,乳腺症の2例はMRIでは鑑別困難の診断であった。US検診で要精検となった症例は17例中4例が悪性であったが,MRIではいずれの症例でも悪性所見を指摘し得ており,1例では副病変が検出された。最終診断が正常あるいは良性の13例全例で,MRIで悪性所見は認めなかった。MRI検査はMMG,USと比較して高い陰性適中率を示しており,検診で要精検となった症例で,精検MMGやUSで悪性病変の存在が疑われる症例では,MRIを積極的に行うべきと考えられる。
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.22.411