異常浸潤性胎盤妊婦の予定帝王切開術における周術期管理2症例と文献的考察

異常浸潤性胎盤は, 子宮筋層に癒着または浸潤し, 基底脱落膜の部分的もしくは完全な欠如を伴うまれな妊娠である. 絨毛浸潤の程度により癒着胎盤・嵌入胎盤・穿通胎盤に分類され, 穿通胎盤は周辺臓器にまで達することがある. 妊娠中や分娩時には, 子宮破裂や致死的大量出血, 母体の重篤な合併症に対する子宮摘出術と, 将来の生殖能力を喪失するリスクが高い. 近年, 帝王切開数の増加に伴い, 異常浸潤性胎盤の発生率が増加している. しかし, この異常妊娠に対する適切な管理方法はいまだ確立されていない. われわれは, 最近経験した異常胎盤の周術期管理2症例を示し, 発生頻度や診断方法, 管理戦略などに関する...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 29; no. 2; pp. 204 - 213
Main Authors 坂本, 篤裕, 古市, 昌之, 岸川, 洋昭, 寺嶋, 克幸, 大江, 裕美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2009
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.29.204

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Summary:異常浸潤性胎盤は, 子宮筋層に癒着または浸潤し, 基底脱落膜の部分的もしくは完全な欠如を伴うまれな妊娠である. 絨毛浸潤の程度により癒着胎盤・嵌入胎盤・穿通胎盤に分類され, 穿通胎盤は周辺臓器にまで達することがある. 妊娠中や分娩時には, 子宮破裂や致死的大量出血, 母体の重篤な合併症に対する子宮摘出術と, 将来の生殖能力を喪失するリスクが高い. 近年, 帝王切開数の増加に伴い, 異常浸潤性胎盤の発生率が増加している. しかし, この異常妊娠に対する適切な管理方法はいまだ確立されていない. われわれは, 最近経験した異常胎盤の周術期管理2症例を示し, 発生頻度や診断方法, 管理戦略などに関する最近の文献のレビューを行った.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.29.204