薬剤師の介入による向精神薬適正使用と転倒・転落事故数への影響

「緒言」入院患者における転倒・転落事故は重大な医療事故であり, 患者の日常生活活動(activities of daily living:ADL)や生活の質(quality of life:QOL)を大きく損なうだけでなく, 医療費の増大にも影響を及ぼす. 従って, 転倒・転落事故を防止することは医療安全管理に加えて, 医療経済的にも意義深い. 転倒・転落の原因は多様であるが, そのなかの1つとして医薬品の使用が挙げられている. 医薬品のなかでも, 睡眠薬は, その使用により筋力や平衡感覚に影響を与え, 転倒リスクの原因として多くの報告がある. また, 抗精神病薬, 抗うつ薬, 抗コリン系抗パ...

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Published in医療薬学 Vol. 42; no. 3; pp. 174 - 184
Main Authors 小池, 眞菜美, 中川, 貴之, 深津, 祥央, 今井, 哲司, 矢野, 育子, 村井, 俊哉, 杉原, 玄一, 松原, 和夫, 重面, 雄紀, 石塚, 良子, 萱野, 勇一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.03.2016
日本医療薬学会
Subjects
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.42.174

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Summary:「緒言」入院患者における転倒・転落事故は重大な医療事故であり, 患者の日常生活活動(activities of daily living:ADL)や生活の質(quality of life:QOL)を大きく損なうだけでなく, 医療費の増大にも影響を及ぼす. 従って, 転倒・転落事故を防止することは医療安全管理に加えて, 医療経済的にも意義深い. 転倒・転落の原因は多様であるが, そのなかの1つとして医薬品の使用が挙げられている. 医薬品のなかでも, 睡眠薬は, その使用により筋力や平衡感覚に影響を与え, 転倒リスクの原因として多くの報告がある. また, 抗精神病薬, 抗うつ薬, 抗コリン系抗パーキンソン病薬も転倒・転落のリスクを高めるため, これらの薬剤が多く処方される精神科では転倒・転落のリスクが特に高い. 2014年度診療報酬改定では, 「向精神薬の適正使用」が示され, 日本睡眠学会より「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」が発表された.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.42.174