CPAOA患者家族の視点から見た病院前救護について

当救急部へ搬入されたCPAOA患者の65人の患者家族に電話インタビュー方式で (1) 心停止直後のbystander CPRの有無 (2) 搬送時の救命処置の有無 (3) 救急医療への満足感を調査した。 患者家族によるbystander CPRはわずか29%にしか施行されていなかった。救急車内での救急隊員によるCPRや酸素投与の意味を認識していたのは, わずかな患者家族にすぎなかった。行われた救命処置は68%の患者家族に満足されていたが, 「不満足」を訴える患者家族は救命処置の意味を認識していなかった。 このように, 患者家族が救急処置の意味を知らないことは救急医療体制の障害にもなる。メディカ...

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Published in蘇生 Vol. 25; no. 2; pp. 100 - 103
Main Authors 盖, 雪峰, 瀧, 健治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本蘇生学会 2006
The Japanese Society of Reanimatology
Subjects
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ISSN0288-4348
1884-748X
DOI10.11414/jjreanimatology1983.25.100

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Summary:当救急部へ搬入されたCPAOA患者の65人の患者家族に電話インタビュー方式で (1) 心停止直後のbystander CPRの有無 (2) 搬送時の救命処置の有無 (3) 救急医療への満足感を調査した。 患者家族によるbystander CPRはわずか29%にしか施行されていなかった。救急車内での救急隊員によるCPRや酸素投与の意味を認識していたのは, わずかな患者家族にすぎなかった。行われた救命処置は68%の患者家族に満足されていたが, 「不満足」を訴える患者家族は救命処置の意味を認識していなかった。 このように, 患者家族が救急処置の意味を知らないことは救急医療体制の障害にもなる。メディカルコントロール (MC) は救命士の病院前救護活動のみに留まらず, 患者家族への対応法や一般市民へのCPR教育を課題とすべきである。
ISSN:0288-4348
1884-748X
DOI:10.11414/jjreanimatology1983.25.100