疼痛ケアにおける看護師への薬学的教育支援とその効果
「緒言」 世界保健機関(WHO)が提唱するWHO方式がん性疼痛治療法1)では, がん患者に対して医療用麻薬(麻薬)を治療の初期段階から継続して使用することを推奨しており, これに基づき治療を行うことで, がん患者が有する80%の痛みを除痛できると言われている2). しかし, 我が国では欧米と比べて麻薬使用量が20分の1程度であり3), 適切に疼痛ケアが実施されているとは言い難い. その背景には, 患者および医療従事者の麻薬に対する知識不足による誤解があると思われる4). 一方, 病棟で疼痛ケアにかかわる医療従事者のなかでも, 特に看護師は患者と接する時間が長く, 疼痛アセスメントや指導などにお...
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Published in | 医療薬学 Vol. 38; no. 4; pp. 237 - 245 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.04.2012
日本医療薬学会 |
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ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.38.237 |
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Summary: | 「緒言」 世界保健機関(WHO)が提唱するWHO方式がん性疼痛治療法1)では, がん患者に対して医療用麻薬(麻薬)を治療の初期段階から継続して使用することを推奨しており, これに基づき治療を行うことで, がん患者が有する80%の痛みを除痛できると言われている2). しかし, 我が国では欧米と比べて麻薬使用量が20分の1程度であり3), 適切に疼痛ケアが実施されているとは言い難い. その背景には, 患者および医療従事者の麻薬に対する知識不足による誤解があると思われる4). 一方, 病棟で疼痛ケアにかかわる医療従事者のなかでも, 特に看護師は患者と接する時間が長く, 疼痛アセスメントや指導などにおいて果たすべき役割は非常に大きい5). 我々はこれまでに疼痛ケアに携わる看護師への薬学的支援を検討するため, 病棟看護師を対象に疼痛ケア業務の実態調査を実施した. その結果, 疼痛・副作用コントロールなどの実施が不十分であることがわかった. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.38.237 |