術前MRCPにて画像診断し得た重複胆管を伴った膵・胆管合流異常の1例
症例は2歳,女児.嘔吐,腹痛,高アミラーゼ血症で発症し,前医での画像検査で総胆管拡張を認めたため,先天性胆道拡張症と診断され,当科紹介となった.MR胆管膵管撮影(MRCP)および胆管造影CT(DIC-CT)にて,総胆管の重複と特殊な形態の膵・胆管合流異常を認めた.開腹術を施行し,術中胆道造影にて総胆管および副胆管の走行を確認してから,肝外重複胆管切除による分流手術を行った.重複胆管の斎籐分類ではIIIb型と診断した.重複胆管は総胆管が2本存在する極めて稀な奇形であり,特に小児では胆道拡張症に合併し,術中に診断されることがほとんどである.胆道拡張症の術前MRCPにおいては,本症を念頭に置いて読影...
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Published in | 日本小児外科学会雑誌 Vol. 53; no. 7; pp. 1293 - 1297 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
20.12.2017
日本小児外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0288-609X 2187-4247 |
DOI | 10.11164/jjsps.53.7_1293 |
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Summary: | 症例は2歳,女児.嘔吐,腹痛,高アミラーゼ血症で発症し,前医での画像検査で総胆管拡張を認めたため,先天性胆道拡張症と診断され,当科紹介となった.MR胆管膵管撮影(MRCP)および胆管造影CT(DIC-CT)にて,総胆管の重複と特殊な形態の膵・胆管合流異常を認めた.開腹術を施行し,術中胆道造影にて総胆管および副胆管の走行を確認してから,肝外重複胆管切除による分流手術を行った.重複胆管の斎籐分類ではIIIb型と診断した.重複胆管は総胆管が2本存在する極めて稀な奇形であり,特に小児では胆道拡張症に合併し,術中に診断されることがほとんどである.胆道拡張症の術前MRCPにおいては,本症を念頭に置いて読影することが望ましく,術前DIC-CT,あるいは術中胆道造影を丁寧に行い詳細な情報を得たことが,副損傷を避け,安全で確実な手術を施行するために有用であった. |
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ISSN: | 0288-609X 2187-4247 |
DOI: | 10.11164/jjsps.53.7_1293 |