健康食品利用入院患者に対する薬学的介入内容の分析と管理アルゴリズムの構築

「緒言」 近年, 健康の維持増進を目的とした健康食品やサプリメント(素材も含めて, 本論文では健康食品とする)の利用者が増加し, 体質や過剰摂取に起因するアレルギー症状や肝障害など健康被害の報告も増加している. さらに, 何らかの治療を受けている患者の健康食品利用も増加しているが, その利用目的の多くは病気の治療や予防であり, 健康食品に医薬品的な効果を期待する誤った利用ケースが相変わらず認められる. また, 患者が健康食品を利用するうえで, 医薬品との相互作用による治療効果の減弱や副作用の増強に注意する必要がある. 2002~2006年の調査では, 薬物性肝障害の14%が健康食品に起因してお...

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Published in医療薬学 Vol. 42; no. 4; pp. 217 - 227
Main Authors 篠塚, 和正, 森木, 邦明, 金田, 達也, 小川, 勝弘, 椎木, 芳和, 安達, 真紀子, 高根, 浩, 島田, 美樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.04.2016
日本医療薬学会
Subjects
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.42.217

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Summary:「緒言」 近年, 健康の維持増進を目的とした健康食品やサプリメント(素材も含めて, 本論文では健康食品とする)の利用者が増加し, 体質や過剰摂取に起因するアレルギー症状や肝障害など健康被害の報告も増加している. さらに, 何らかの治療を受けている患者の健康食品利用も増加しているが, その利用目的の多くは病気の治療や予防であり, 健康食品に医薬品的な効果を期待する誤った利用ケースが相変わらず認められる. また, 患者が健康食品を利用するうえで, 医薬品との相互作用による治療効果の減弱や副作用の増強に注意する必要がある. 2002~2006年の調査では, 薬物性肝障害の14%が健康食品に起因しており, 健康食品による肝障害は高齢女性や慢性疾患を基礎疾患で有する症例で起こりやすいことが報告されている. 従って, 患者は健康食品による健康被害を受けやすいため, 薬剤師が投薬歴や現病歴などの患者背景を把握し, 医薬品と同様に健康食品に対する薬学的管理を行うことが求められる.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.42.217