ペインクリニックのための痛みの評価
適切な診断を行うため, また治療効果を確認しつつ最適な治療法を施行するために, 痛みの評価はきわめて重要である. しかし, 国際疼痛学会の痛みの定義からも, 痛みを客観的に測定することは不可能であり, 患者の自己報告を中心に評価せざるを得ない. また, 痛みは患者のさまざまな面に影響する多因子性のものであるので, 痛みの強さや頻度などの評価だけでは不十分で, 身体的機能, 心理的機能, 患者の全般的な満足度, 有害事象などについても考慮しなければならない. 痛み評価法の研究は欧米を中心に進められてきたが, 痛みは言語や文化にも大きく影響されるため, 日本の状況に合った痛みの評価法を選択する必要...
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Published in | 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 29; no. 2; pp. 152 - 159 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床麻酔学会
2009
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0285-4945 1349-9149 |
DOI | 10.2199/jjsca.29.152 |
Cover
Summary: | 適切な診断を行うため, また治療効果を確認しつつ最適な治療法を施行するために, 痛みの評価はきわめて重要である. しかし, 国際疼痛学会の痛みの定義からも, 痛みを客観的に測定することは不可能であり, 患者の自己報告を中心に評価せざるを得ない. また, 痛みは患者のさまざまな面に影響する多因子性のものであるので, 痛みの強さや頻度などの評価だけでは不十分で, 身体的機能, 心理的機能, 患者の全般的な満足度, 有害事象などについても考慮しなければならない. 痛み評価法の研究は欧米を中心に進められてきたが, 痛みは言語や文化にも大きく影響されるため, 日本の状況に合った痛みの評価法を選択する必要がある. |
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ISSN: | 0285-4945 1349-9149 |
DOI: | 10.2199/jjsca.29.152 |