歯科用小型X線CT (3DX®) を用いて歯周組織再生療法における歯槽骨再生量を評価した1症例

3次元歯科用小型CT® (3DX®) は, 直径40mm, 高さ30mmの範囲で歯槽骨欠損状態を3次元デジタル画像で撮影でき, 手術前後の歯槽骨欠損量を計測することができるためリエントリーを必要としない。 今回, 29歳の男性で全身疾患のない侵襲性歯周炎患者に対して歯周基本治療後, 歯周組織再生療法を行う可能性がある部位に3DX®撮影を行い, 歯槽骨欠損状態の観察と歯槽骨欠損量の評価を行った。その結果, 上顎左側第一大臼歯と下顎左側犬歯に歯槽骨内欠損を確認した。 そこで組織再生誘導 (Guided Tissue Regeneration : GTR) 膜とエムドゲインゲル®を併用した歯周組織再...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 46; no. 3; pp. 209 - 219
Main Authors 太田, 紀雄, 内田, 啓一, 久野, 知子, 新井, 嘉則, 塩島, 勝, 音琴, 淳一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 2004
日本歯周病学会
Subjects
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.46.209

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Summary:3次元歯科用小型CT® (3DX®) は, 直径40mm, 高さ30mmの範囲で歯槽骨欠損状態を3次元デジタル画像で撮影でき, 手術前後の歯槽骨欠損量を計測することができるためリエントリーを必要としない。 今回, 29歳の男性で全身疾患のない侵襲性歯周炎患者に対して歯周基本治療後, 歯周組織再生療法を行う可能性がある部位に3DX®撮影を行い, 歯槽骨欠損状態の観察と歯槽骨欠損量の評価を行った。その結果, 上顎左側第一大臼歯と下顎左側犬歯に歯槽骨内欠損を確認した。 そこで組織再生誘導 (Guided Tissue Regeneration : GTR) 膜とエムドゲインゲル®を併用した歯周組織再生療法を行った。その後, 歯周組織の状態について臨床的評価を行うとともに3DX®撮影による歯槽骨欠損の状態の観察と歯槽骨再生量の計測を行った。 その結果, 術後12カ月の評価では3DX®撮影画像により2部位ともにGTR膜とエムドゲイン®ゲルを併用したことによる歯槽骨欠損量の回復を確認でき, 歯周治療における3DX®撮影は, 複雑な歯槽骨壁の状態と歯槽骨再生量を正確に評価する上で有効であることが示された。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.46.209