Infection Control Teamによる全入院患者を対象とした注射用抗菌薬適正使用推進実施体制の確立とアウトカム評価

「緒言」 薬剤耐性菌の増加は世界中の問題となっているが1~3), その主たる原因として抗菌薬の多用が指摘されている4~6). 一方, 新規抗菌薬の開発は近年停滞しており, 現存する抗菌薬の適正使用を推進し, 薬剤耐性菌の出現を低下させることが求められている. 米国では, 入院患者の30~50%に抗菌薬が使用されていると報告されているが7), 不適切な使用が抗菌薬処方全体の50~72%にも達するといった報告もあり7~8), 患者の予後にも影響する9). Antimicrobial stewardship(AMS)は抗菌薬適正使用推進プログラムであり, 抗菌薬の適正使用を推進することにより, 耐性...

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Published in医療薬学 Vol. 38; no. 5; pp. 273 - 281
Main Authors 深尾, 亜由美, 安田, 満, 篠田, 康孝, 村上, 啓雄, 丹羽, 隆, 杉山, 正, 松浦, 克彦, 北市, 清幸, 大森, 智史, 鈴木, 昭夫, 伊藤, 善規, 太田, 浩敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.05.2012
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.38.273

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Summary:「緒言」 薬剤耐性菌の増加は世界中の問題となっているが1~3), その主たる原因として抗菌薬の多用が指摘されている4~6). 一方, 新規抗菌薬の開発は近年停滞しており, 現存する抗菌薬の適正使用を推進し, 薬剤耐性菌の出現を低下させることが求められている. 米国では, 入院患者の30~50%に抗菌薬が使用されていると報告されているが7), 不適切な使用が抗菌薬処方全体の50~72%にも達するといった報告もあり7~8), 患者の予後にも影響する9). Antimicrobial stewardship(AMS)は抗菌薬適正使用推進プログラムであり, 抗菌薬の適正使用を推進することにより, 耐性菌の出現防止や治療効果の向上を目指す方法である10). 2007年に米国感染症学会と米国医療疫学学会が合同発表したAMSガイドラインでは, 「抗菌薬の使用制限(許可制, 届出制導入)」とともに「介入とフィードバック」が抗菌薬の適正使用推進の2大戦略とされている.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.38.273